第一法規株式会社 新会社法WEB
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     第三款 委員会の運営
 (招集権者)
第四百十条 委員会は、当該委員会の各委員が招集する。
 (招集手続等)
第四百十一条 委員会を招集するには、その委員は、委員会の日の一週間(これを下回る期間を取締役会で
定めた場合にあっては、その期間)前までに、当該委員会の各委員に対してその通知を発しなければならな
い。
2 前項の規定にかかわらず、委員会は、当該委員会の委員の全員の同意があるときは、招集の手続を経る
ことなく開催することができる。
3 執行役等は、委員会の要求があったときは、当該委員会に出席し、当該委員会が求めた事項について説
明をしなければならない。
 (委員会の決議)
第四百十二条 委員会の決議は、議決に加わることができるその委員の過半数(これを上回る割合を取締役
会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた
場合にあっては、その割合以上)をもって行う。
2 前項の決議について特別の利害関係を有する委員は、議決に加わることができない。
3 委員会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作
成されているときは、出席した委員は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項につ
いては、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
5 委員会の決議に参加した委員であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成した
ものと推定する。
 (議事録)
第四百十三条 委員会設置会社は、委員会の日から十年間、前条第三項の議事録をその本店に備え置かなけ
ればならない。
2 委員会設置会社の取締役は、次に掲げるものの閲覧及び謄写をすることができる。
一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面
二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務
省令で定める方法により表示したもの
3 委員会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の
議事録について前項各号に掲げるものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。
4 前項の規定は、委員会設置会社の債権者が委員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員が
その権利を行使するため必要があるときについて準用する。
5 裁判所は、第三項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧
又は謄写をすることにより、当該委員会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそ
れがあると認めるときは、第三項の許可をすることができない。
 (委員会への報告の省略)
第四百十四条 執行役、取締役、会計参与又は会計監査人が委員の全員に対して委員会に報告すべき事項を
通知したときは、当該事項を委員会へ報告することを要しない。
     第四款 委員会設置会社の取締役の権限等
 (委員会設置会社の取締役の権限)
第四百十五条 委員会設置会社の取締役は、この法律又はこの法律に基づく命令に別段の定めがある場合を
除き、委員会設置会社の業務を執行することができない。
 (委員会設置会社の取締役会の権限)
第四百十六条 委員会設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。
一 次に掲げる事項その他委員会設置会社の業務執行の決定
イ 経営の基本方針
ロ 監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項
ハ 執行役が二人以上ある場合における執行役の職務の分掌及び指揮命令の関係その他の執行役相互の
関係に関する事項
ニ 次条第二項の規定による取締役会の招集の請求を受ける取締役
ホ 執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の
適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
二 執行役等の職務の執行の監督
2 委員会設置会社の取締役会は、前項第一号イからホまでに掲げる事項を決定しなければならない。
3 委員会設置会社の取締役会は、第一項各号に掲げる職務の執行を取締役に委任することができない。
4 委員会設置会社の取締役会は、その決議によって、委員会設置会社の業務執行の決定を執行役に委任す
ることができる。ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。
一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定
二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定
三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定
四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定
五 株主総会に提出する議案(取締役、会計参与及び会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任
しないことに関するものを除く。)の内容の決定
六 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項にお
いて読み替えて準用する場合を含む。)の承認
七 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定
八 第四百条第二項の規定による委員の選定及び第四百一条第一項の規定による委員の解職
九 第四百二条第二項の規定による執行役の選任及び第四百三条第一項の規定による執行役の解任
十 第四百八条第一項第一号の規定による委員会設置会社を代表する者の決定
十一 第四百二十条第一項前段の規定による代表執行役の選定及び同条第二項の規定による代表執行役の
解職
十二 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
十三 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認
十四 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならない
とされる事項の決定
十五 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による
承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十六 合併契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決
定
十七 吸収分割契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容
の決定
十八 新設分割計画(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容
の決定
十九 株式交換契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容
の決定
二十 株式移転計画の内容の決定
 (委員会設置会社の取締役会の運営)
第四百十七条 委員会設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、委員会がその委員の中
から選定する者は、取締役会を招集することができる。
2 執行役は、前条第一項第一号ニの取締役に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集
を請求することができる。この場合において、当該請求があった日から五日以内に、当該請求があった日か
ら二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられないときは、当該執行役は、取締
役会を招集することができる。
3 委員会がその委員の中から選定する者は、遅滞なく、当該委員会の職務の執行の状況を取締役会に報告
しなければならない。
4 執行役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。この場
合において、執行役は、代理人(他の執行役に限る。)により当該報告をすることができる。
5 執行役は、取締役会の要求があったときは、取締役会に出席し、取締役会が求めた事項について説明を
しなければならない。
     第五款 執行役の権限等
 (執行役の権限)
第四百十八条 執行役は、次に掲げる職務を行う。
一 第四百十六条第四項の規定による取締役会の決議によって委任を受けた委員会設置会社の業務の執行
の決定
二 委員会設置会社の業務の執行
 (執行役の監査委員に対する報告義務等)
第四百十九条 執行役は、委員会設置会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ち
に、当該事実を監査委員に報告しなければならない。
2 第三百五十五条、第三百五十六条及び第三百六十五条第二項の規定は、執行役について準用する。この
場合において、第三百五十六条第一項中「株主総会」とあるのは「取締役会」と、第三百六十五条第二項中
「取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第三百五十六条第一項各号」と
読み替えるものとする。
3 第三百五十七条の規定は、委員会設置会社については、適用しない。
 (代表執行役)
第四百二十条 取締役会は、執行役の中から代表執行役を選定しなければならない。この場合において、執
行役が一人のときは、その者が代表執行役に選定されたものとする。
2 代表執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。
3 第三百四十九条第四項及び第五項の規定は代表執行役について、第三百五十二条の規定は民事保全法第
五十六条に規定する仮処分命令により選任された執行役又は代表執行役の職務を代行する者について、第四
百一条第二項から第四項までの規定は代表執行役が欠けた場合又は定款で定めた代表執行役の員数が欠けた
場合について、それぞれ準用する。
 (表見代表執行役)
第四百二十一条 委員会設置会社は、代表執行役以外の執行役に社長、副社長その他委員会設置会社を代表
する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該執行役がした行為について、善意の第三者
に対してその責任を負う。
 (株主による執行役の行為の差止め)
第四百二十二条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株
式を有する株主は、執行役が委員会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為
をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該委員会設置会社に回復す
ることができない損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役に対し、当該行為をやめることを請求する
ことができる。
2 公開会社でない委員会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る
期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」
とする。

    第十一節 役員等の損害賠償責任  (役員等の株式会社に対する損害賠償責任) 第四百二十三条 取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この節において「役員等」とい う。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 取締役又は執行役が第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。以下こ の項において同じ。)の規定に違反して第三百五十六条第一項第一号の取引をしたときは、当該取引によっ て取締役、執行役又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第三百五十六条第一項第二号又は第三号(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を 含む。)の取引によって株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる取締役又は執行役は、その任務を怠っ たものと推定する。 一 第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取締役又は執行役 二 株式会社が当該取引をすることを決定した取締役又は執行役 三 当該取引に関する取締役会の承認の決議に賛成した取締役(委員会設置会社においては、当該取引が 委員会設置会社と取締役との間の取引又は委員会設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合 に限る。)  (株式会社に対する損害賠償責任の免除) 第四百二十四条 前条第一項の責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。  (責任の一部免除) 第四百二十五条 前条の規定にかかわらず、第四百二十三条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつ き善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から次に掲げる額の合計額(第四百二十七条第 一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、株主総会の決議によって免除 することができる。 一 当該役員等がその在職中に株式会社から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の 一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまで に掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額 イ 代表取締役又は代表執行役 六 ロ 代表取締役以外の取締役(社外取締役を除く。)又は代表執行役以外の執行役 四 ハ 社外取締役、会計参与、監査役又は会計監査人 二 二 当該役員等が当該株式会社の新株予約権を引き受けた場合(第二百三十八条第三項各号に掲げる場合 に限る。)における当該新株予約権に関する財産上の利益に相当する額として法務省令で定める方法に より算定される額 2 前項の場合には、取締役は、同項の株主総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。  一 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額  二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠  三 責任を免除すべき理由及び免除額 3 監査役設置会社又は委員会設置会社においては、取締役は、第四百二十三条第一項の責任の免除(取締 役(監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)に関する議案を株主総会に提出する には、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。  一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役)  二 委員会設置会社 各監査委員 4 第一項の決議があった場合において、株式会社が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の 法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、株主総会の承認を受けなければならない。当該役員等が同 項第二号の新株予約権を当該決議後に行使し、又は譲渡するときも同様とする。 5 第一項の決議があった場合において、当該役員等が前項の新株予約権を表示する新株予約権証券を所持 するときは、当該役員等は、遅滞なく、当該新株予約権証券を株式会社に対し預託しなければならない。こ の場合において、当該役員等は、同項の譲渡について同項の承認を受けた後でなければ、当該新株予約権証 券の返還を求めることができない。  (取締役等による免除に関する定款の定め) 第四百二十六条 第四百二十四条の規定にかかわらず、監査役設置会社(取締役が二人以上ある場合に限る。) 又は委員会設置会社は、第四百二十三条第一項の責任について、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ 重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の 事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第一項の規定により免除することができる額を限度として取 締役(当該責任を負う取締役を除く。)の過半数の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議) によって免除することができる旨を定款で定めることができる。 2 前条第三項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(取締役(監査委員であるものを除 く。)及び執行役の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場 合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(取締役(監査委員であるものを除く。)及び執行役 の責任の免除に限る。)についての取締役の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案を取締役会に 提出する場合について準用する。 3 第一項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(取締役会設置会社にあっ ては、取締役会の決議)を行ったときは、取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免 除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなけ ればならない。ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 4 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」 とあるのは、「株主に通知し」とする。 5 総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定 款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が同項の期間内に同項の異議を述べたと きは、株式会社は、第一項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。 6 前条第四項及び第五項の規定は、第一項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について 準用する。  (責任限定契約) 第四百二十七条 第四百二十四条の規定にかかわらず、株式会社は、社外取締役、会計参与、社外監査役又 は会計監査人(以下この条において「社外取締役等」という。)の第四百二十三条第一項の責任について、 当該社外取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であら かじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を社外取締役等と締 結することができる旨を定款で定めることができる。 2 前項の契約を締結した社外取締役等が当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又 は支配人その他の使用人に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。 3 第四百二十五条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(社外取締役(監査委 員であるものを除く。)と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出 する場合について準用する。 4 第一項の契約を締結した株式会社が、当該契約の相手方である社外取締役等が任務を怠ったことにより 損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される株主総会において次に掲げる事項を開示しなけ ればならない。  一 第四百二十五条第二項第一号及び第二号に掲げる事項  二 当該契約の内容及び当該契約を締結した理由  三 第四百二十三条第一項の損害のうち、当該社外取締役等が賠償する責任を負わないとされた額 5 第四百二十五条第四項及び第五項の規定は、社外取締役等が第一項の契約によって同項に規定する限度 を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。  (取締役が自己のためにした取引に関する特則) 第四百二十八条 第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取 引(自己のためにした取引に限る。)をした取締役又は執行役の第四百二十三条第一項の責任は、任務を怠 ったことが当該取締役又は執行役の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れる ことができない。 2 前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。  (役員等の第三者に対する損害賠償責任) 第四百二十九条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、こ れによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。ただし、その者が当 該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 取締役及び執行役 次に掲げる行為 イ 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなけれ ばならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該株式会社の事業その他の事項 に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 ロ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに臨時計算書類に記載し、又は記録すべき重 要な事項についての虚偽の記載又は記録 ハ 虚偽の登記 ニ 虚偽の公告(第四百四十条第三項に規定する措置を含む。) 二 会計参与 計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに会計参与報告に記載し、又は記録すべ き重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 監査役及び監査委員 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 四 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録  (役員等の連帯責任) 第四百三十条 役員等が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等 も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
   第五章 計算等
    第一節 会計の原則 第四百三十一条 株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。
    第二節 会計帳簿等      第一款 会計帳簿  (会計帳簿の作成及び保存) 第四百三十二条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければ ならない。 2 株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存し なければならない。  (会計帳簿の閲覧等の請求) 第四百三十三条 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使するこ とができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その 割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定 款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、株式会社の営業時間内は、いつで も、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければ ならない。  一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請 求  二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録 された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の請求があったときは、株式会社は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒 むことができない。  一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する 調査以外の目的で請求を行ったとき。  二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。  三 請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものである とき。  四 請求者が会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に 通報するため請求したとき。  五 請求者が、過去二年以内において、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た 事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、会計帳簿 又はこれに関する資料について第一項各号に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請 求の理由を明らかにしてしなければならない。 4 前項の親会社社員について第二項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可 をすることができない。  (会計帳簿の提出命令) 第四百三十四条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提 出を命ずることができる。      第二款 計算書類等  (計算書類等の作成及び保存) 第四百三十五条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成し なければならない。 2 株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書そ の他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。 以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 3 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 株式会社は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければな らない。  (計算書類等の監査等) 第四百三十六条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあ る株式会社を含み、会計監査人設置会社を除く。)においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びに これらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。 2 会計監査人設置会社においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号 に定める者の監査を受けなければならない。  一 前条第二項の計算書類及びその附属明細書 監査役(委員会設置会社にあっては、監査委員会)及び 会計監査人  二 前条第二項の事業報告及びその附属明細書 監査役(委員会設置会社にあっては、監査委員会) 3 取締役会設置会社においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第一項 又は前項の規定の適用がある場合にあっては、第一項又は前項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を 受けなければならない。  (計算書類等の株主への提供) 第四百三十七条 取締役会設置会社においては、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令 で定めるところにより、株主に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告(同条第一項又は第 二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。  (計算書類等の定時株主総会への提出等) 第四百三十八条 次の各号に掲げる株式会社においては、取締役は、当該各号に定める計算書類及び事業報 告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。  一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第 一項の監査を受けた計算書類及び事業報告  二 会計監査人設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第二項の監査を受けた計算書類 及び事業報告  三 取締役会設置会社 第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告  四 前三号に掲げるもの以外の株式会社 第四百三十五条第二項の計算書類及び事業報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時株主総会の承認を受けなければならない。 3 取締役は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時株主総会に報告しなけ ればならない。  (会計監査人設置会社の特則) 第四百三十九条 会計監査人設置会社については、第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類が法令及 び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当 する場合には、前条第二項の規定は、適用しない。この場合においては、取締役は、当該計算書類の内容を 定時株主総会に報告しなければならない。  (計算書類の公告) 第四百四十条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表 (大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である 株式会社は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。 3 前項の株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、第一項に規定す る貸借対照表の内容である情報を、定時株主総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的 方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。この場合にお いては、前二項の規定は、適用しない。 4 証券取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株 式会社については、前三項の規定は、適用しない。  (臨時計算書類) 第四百四十一条 株式会社は、最終事業年度の直後の事業年度に属する一定の日(以下この項において「臨 時決算日」という。)における当該株式会社の財産の状況を把握するため、法務省令で定めるところにより、 次に掲げるもの(以下「臨時計算書類」という。)を作成することができる。  一 臨時決算日における貸借対照表  二 臨時決算日の属する事業年度の初日から臨時決算日までの期間に係る損益計算書 2 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社又は会計監査人設置会社においては、臨時計算書類は、 法務省令で定めるところにより、監査役又は会計監査人(委員会設置会社にあっては、監査委員会及び会計 監査人)の監査を受けなければならない。 3 取締役会設置会社においては、臨時計算書類(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を 受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。 4 次の各号に掲げる株式会社においては、当該各号に定める臨時計算書類は、株主総会の承認を受けなけ ればならない。ただし、臨時計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示し ているものとして法務省令で定める要件に該当する場合は、この限りでない。  一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社又は会計監査人設置会社(いずれも取締役会設置会 社を除く。) 第二項の監査を受けた臨時計算書類  二 取締役会設置会社 前項の承認を受けた臨時計算書類  三 前二号に掲げるもの以外の株式会社 第一項の臨時計算書類  (計算書類等の備置き及び閲覧等) 第四百四十二条 株式会社は、次の各号に掲げるもの(以下この条において「計算書類等」という。)を、 当該各号に定める期間、その本店に備え置かなければならない。  一 各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第四百三十六条第一項又は第二 項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 定時株主総会の日の一週間 (取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があ った日)から五年間  二 臨時計算書類(前条第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)  臨時計算書類を作成した日から五年間 2 株式会社は、次の各号に掲げる計算書類等の写しを、当該各号に定める期間、その支店に備え置かなけ ればならない。ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、支店における次項第三号 及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっていると きは、この限りでない。  一 前項第一号に掲げる計算書類等 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間) 前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から三年間  二 前項第二号に掲げる計算書類等 同号の臨時計算書類を作成した日から三年間 3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、 第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。  一 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求  二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求  三 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省 令で定める方法により表示したものの閲覧の請求  四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供すること の請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式 会社の計算書類等について前項各号に掲げる請求をすることができる。ただし、同項第二号又は第四号に掲 げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。  (計算書類等の提出命令) 第四百四十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類及びその附属明細書 の全部又は一部の提出を命ずることができる。      第三款 連結計算書類 第四百四十四条 会計監査人設置会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る連結計算書類 (当該会計監査人設置会社及びその子会社から成る企業集団の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適 当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)を作成することができる。 2 連結計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 事業年度の末日において大会社であって証券取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内 閣総理大臣に提出しなければならないものは、当該事業年度に係る連結計算書類を作成しなければならない。 4 連結計算書類は、法務省令で定めるところにより、監査役(委員会設置会社にあっては、監査委員会) 及び会計監査人の監査を受けなければならない。 5 会計監査人設置会社が取締役会設置会社である場合には、前項の監査を受けた連結計算書類は、取締役 会の承認を受けなければならない。 6 会計監査人設置会社が取締役会設置会社である場合には、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際し て、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前項の承認を受けた連結計算書類を提供しなければなら ない。 7 次の各号に掲げる会計監査人設置会社においては、取締役は、当該各号に定める連結計算書類を定時株 主総会に提出し、又は提供しなければならない。この場合においては、当該各号に定める連結計算書類の内 容及び第四項の監査の結果を定時株主総会に報告しなければならない。  一 取締役会設置会社である会計監査人設置会社 第五項の承認を受けた連結計算書類  二 前号に掲げるもの以外の会計監査人設置会社 第四項の監査を受けた連結計算書類
    第三節 資本金の額等      第一款 総則  (資本金の額及び準備金の額) 第四百四十五条 株式会社の資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行 に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。 2 前項の払込み又は給付に係る額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。 3 前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。 4 剰余金の配当をする場合には、株式会社は、法務省令で定めるところにより、当該剰余金の配当により 減少する剰余金の額に十分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金(以下「準備金」と総称する。) として計上しなければならない。 5 合併、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転に際して資本金又は準備金として計上すべき額につ いては、法務省令で定める。  (剰余金の額) 第四百四十六条 株式会社の剰余金の額は、第一号から第四号までに掲げる額の合計額から第五号から第七 号までに掲げる額の合計額を減じて得た額とする。  一 最終事業年度の末日におけるイ及びロに掲げる額の合計額からハからホまでに掲げる額の合計額を減 じて得た額   イ 資産の額   ロ 自己株式の帳簿価額の合計額   ハ 負債の額   ニ 資本金及び準備金の額の合計額   ホ ハ及びニに掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額  二 最終事業年度の末日後に自己株式の処分をした場合における当該自己株式の対価の額から当該自己株 式の帳簿価額を控除して得た額  三 最終事業年度の末日後に資本金の額の減少をした場合における当該減少額(次条第一項第二号の額を 除く。)  四 最終事業年度の末日後に準備金の額の減少をした場合における当該減少額(第四百四十八条第一項第 二号の額を除く。)  五 最終事業年度の末日後に第百七十八条第一項の規定により自己株式の消却をした場合における当該自 己株式の帳簿価額  六 最終事業年度の末日後に剰余金の配当をした場合における次に掲げる額の合計額   イ 第四百五十四条第一項第一号の配当財産の帳簿価額の総額(同条第四項第一号に規定する金銭分配 請求権を行使した株主に割り当てた当該配当財産の帳簿価額を除く。)   ロ 第四百五十四条第四項第一号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に交付した金銭の額の合計 額   ハ 第四百五十六条に規定する基準未満株式の株主に支払った金銭の額の合計額  七 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額      第二款 資本金の額の減少等       第一目 資本金の額の減少等  (資本金の額の減少) 第四百四十七条 株式会社は、資本金の額を減少することができる。この場合においては、株主総会の決議 によって、次に掲げる事項を定めなければならない。  一 減少する資本金の額  二 減少する資本金の額の全部又は一部を準備金とするときは、その旨及び準備金とする額  三 資本金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第一号の額は、同項第三号の日における資本金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生 ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、 同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」 とする。  (準備金の額の減少) 第四百四十八条 株式会社は、準備金の額を減少することができる。この場合においては、株主総会の決議 によって、次に掲げる事項を定めなければならない。  一 減少する準備金の額  二 減少する準備金の額の全部又は一部を資本金とするときは、その旨及び資本金とする額  三 準備金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第一号の額は、同項第三号の日における準備金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に準備金の額を減少する場合において、当該準備金の額の減少の効力が生 ずる日後の準備金の額が当該日前の準備金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、 同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」 とする。  (債権者の異議) 第四百四十九条 株式会社が資本金又は準備金(以下この条において「資本金等」という。)の額を減少す る場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)には、当該株式会社の債権者は、当該株 式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。ただし、準備金の額のみを減少す る場合であって、次のいずれにも該当するときは、この限りでない。  一 定時株主総会において前条第一項各号に掲げる事項を定めること。  二 前条第一項第一号の額が前号の定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、 第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される 額を超えないこと。 2 前項の規定により株式会社の債権者が異議を述べることができる場合には、当該株式会社は、次に掲げ る事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第 三号の期間は、一箇月を下ることができない。  一 当該資本金等の額の減少の内容  二 当該株式会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの  三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の 規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定によ る各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金等の額の減少 について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若し くは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び 信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条 第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該資本金等の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 次の各号に掲げるものは、当該各号に定める日にその効力を生ずる。ただし、第二項から前項までの規 定による手続が終了していないときは、この限りでない。  一 資本金の額の減少 第四百四十七条第一項第三号の日  二 準備金の額の減少 前条第一項第三号の日 7 株式会社は、前項各号に定める日前は、いつでも当該日を変更することができる。       第二目 資本金の額の増加等  (資本金の額の増加) 第四百五十条 株式会社は、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することができる。この場合におい ては、次に掲げる事項を定めなければならない。  一 減少する剰余金の額  二 資本金の額の増加がその効力を生ずる日 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。  (準備金の額の増加) 第四百五十一条 株式会社は、剰余金の額を減少して、準備金の額を増加することができる。この場合にお いては、次に掲げる事項を定めなければならない。  一 減少する剰余金の額  二 準備金の額の増加がその効力を生ずる日 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。       第三目 剰余金についてのその他の処分 第四百五十二条 株式会社は、株主総会の決議によって、損失の処理、任意積立金の積立てその他の剰余金 の処分(前目に定めるもの及び剰余金の配当その他株式会社の財産を処分するものを除く。)をすることが できる。この場合においては、当該剰余金の処分の額その他の法務省令で定める事項を定めなければならな い。
    第四節 剰余金の配当  (株主に対する剰余金の配当) 第四百五十三条 株式会社は、その株主(当該株式会社を除く。)に対し、剰余金の配当をすることができ る。  (剰余金の配当に関する事項の決定) 第四百五十四条 株式会社は、前条の規定による剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会 の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。  一 配当財産の種類(当該株式会社の株式等を除く。)及び帳簿価額の総額  二 株主に対する配当財産の割当てに関する事項  三 当該剰余金の配当がその効力を生ずる日 2 前項に規定する場合において、剰余金の配当について内容の異なる二以上の種類の株式を発行している ときは、株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事項を定 めることができる。  一 ある種類の株式の株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の 種類  二 前号に掲げる事項のほか、配当財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととす るときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主 を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株 式の数)に応じて配当財産を割り当てることを内容とするものでなければならない。 4 配当財産が金銭以外の財産であるときは、株式会社は、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定 めることができる。ただし、第一号の期間の末日は、第一項第三号の日以前の日でなければならない。  一 株主に対して金銭分配請求権(当該配当財産に代えて金銭を交付することを株式会社に対して請求す る権利をいう。以下この章において同じ。)を与えるときは、その旨及び金銭分配請求権を行使することが できる期間  二 一定の数未満の数の株式を有する株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨 及びその数 5 取締役会設置会社は、一事業年度の途中において一回に限り取締役会の決議によって剰余金の配当(配 当財産が金銭であるものに限る。以下この項において「中間配当」という。)をすることができる旨を定款 で定めることができる。この場合における中間配当についての第一項の規定の適用については、同項中「株 主総会」とあるのは、「取締役会」とする。  (金銭分配請求権の行使) 第四百五十五条 前条第四項第一号に規定する場合には、株式会社は、同号の期間の末日の二十日前までに、 株主に対し、同号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 株式会社は、金銭分配請求権を行使した株主に対し、当該株主が割当てを受けた配当財産に代えて、当 該配当財産の価額に相当する金銭を支払わなければならない。この場合においては、次の各号に掲げる場合 の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該配当財産の価額とする。  一 当該配当財産が市場価格のある財産である場合 当該配当財産の市場価格として法務省令で定める方 法により算定される額  二 前号に掲げる場合以外の場合 株式会社の申立てにより裁判所が定める額  (基準株式数を定めた場合の処理) 第四百五十六条 第四百五十四条第四項第二号の数(以下この条において「基準株式数」という。)を定め た場合には、株式会社は、基準株式数に満たない数の株式(以下この条において「基準未満株式」という。) を有する株主に対し、前条第二項後段の規定の例により基準株式数の株式を有する株主が割当てを受けた配 当財産の価額として定めた額に当該基準未満株式の数の基準株式数に対する割合を乗じて得た額に相当する 金銭を支払わなければならない。  (配当財産の交付の方法等) 第四百五十七条 配当財産(第四百五十五条第二項の規定により支払う金銭及び前条の規定により支払う金 銭を含む。以下この条において同じ。)は、株主名簿に記載し、又は記録した株主(登録株式質権者を含む。 以下この条において同じ。)の住所又は株主が株式会社に通知した場所(第三項において「住所等」という。) において、これを交付しなければならない。 2 前項の規定による配当財産の交付に要する費用は、株式会社の負担とする。ただし、株主の責めに帰す べき事由によってその費用が増加したときは、その増加額は、株主の負担とする。 3 前二項の規定は、日本に住所等を有しない株主に対する配当財産の交付については、適用しない。  (適用除外) 第四百五十八条 第四百五十三条から前条までの規定は、株式会社の純資産額が三百万円を下回る場合には、 適用しない。
    第五節 剰余金の配当等を決定する機関の特則  (剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め) 第四百五十九条 会計監査人設置会社(取締役の任期の末日が選任後一年以内に終了する事業年度のうち最 終のものに関する定時株主総会の終結の日後の日であるもの及び監査役設置会社であって監査役会設置会社 でないものを除く。)は、次に掲げる事項を取締役会(第二号に掲げる事項については第四百三十六条第三 項の取締役会に限る。)が定めることができる旨を定款で定めることができる。  一 第百六十条第一項の規定による決定をする場合以外の場合における第百五十六条第一項各号に掲げる 事項  二 第四百四十九条第一項第二号に該当する場合における第四百四十八条第一項第一号及び第三号に掲げ る事項  三 第四百五十二条後段の事項  四 第四百五十四条第一項各号及び同条第四項各号に掲げる事項。ただし、配当財産が金銭以外の財産で あり、かつ、株主に対して金銭分配請求権を与えないこととする場合を除く。 2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及 び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有 する。 3 第一項の規定による定款の定めがある場合における第四百四十九条第一項第一号の規定の適用について は、同号中「定時株主総会」とあるのは、「定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会」とする。  (株主の権利の制限) 第四百六十条 前条第一項の規定による定款の定めがある場合には、株式会社は、同項各号に掲げる事項を 株主総会の決議によっては定めない旨を定款で定めることができる。 2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及 び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有 する。
    第六節 剰余金の配当等に関する責任  (配当等の制限) 第四百六十一条 次に掲げる行為により株主に対して交付する金銭等(当該株式会社の株式を除く。以下こ の節において同じ。)の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えては ならない。  一 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り  二 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する 場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。)  三 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得  四 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得  五 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り  六 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り  七 第二百三十四条第四項の規定による当該株式会社の株式の買取り  八 剰余金の配当 2 前項に規定する「分配可能額」とは、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号から第六号まで に掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(以下この節において同じ。)。  一 剰余金の額  二 臨時計算書類につき第四百四十一条第四項の承認(同項ただし書に規定する場合にあっては、同条第 三項の承認)を受けた場合における次に掲げる額   イ 第四百四十一条第一項第二号の期間の利益の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の 合計額   ロ 第四百四十一条第一項第二号の期間内に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額  三 自己株式の帳簿価額  四 最終事業年度の末日後に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額  五 第二号に規定する場合における第四百四十一条第一項第二号の期間の損失の額として法務省令で定め る各勘定科目に計上した額の合計額  六 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額  (剰余金の配当等に関する責任) 第四百六十二条 前条第一項の規定に違反して株式会社が同項各号に掲げる行為をした場合には、当該行為 により金銭等の交付を受けた者並びに当該行為に関する職務を行った業務執行者(業務執行取締役(委員会 設置会社にあっては、執行役。以下この項において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に 職務上関与した者として法務省令で定めるものをいう。以下この節において同じ。)及び当該行為が次の各 号に掲げるものである場合における当該各号に定める者は、当該株式会社に対し、連帯して、当該金銭等の 交付を受けた者が交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負う。  一 前条第一項第二号に掲げる行為 次に掲げる者   イ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定め られた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該 株主総会に係る総会議案提案取締役(当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるものを いう。以下この項において同じ。)   ロ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定め られた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該 取締役会に係る取締役会議案提案取締役(当該取締役会に議案を提案した取締役(委員会設置会社にあって は、取締役又は執行役)として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。)  二 前条第一項第三号に掲げる行為 次に掲げる者   イ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定め られた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会 に係る総会議案提案取締役   ロ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定め られた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会 に係る取締役会議案提案取締役  三 前条第一項第四号に掲げる行為 第百七十一条第一項の株主総会(当該株主総会の決議によって定め られた同項第一号に規定する取得対価の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合における当該 株主総会に限る。)に係る総会議案提案取締役  四 前条第一項第六号に掲げる行為 次に掲げる者   イ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって 定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主 総会に係る総会議案提案取締役   ロ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって 定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締 役会に係る取締役会議案提案取締役  五 前条第一項第七号に掲げる行為 次に掲げる者   イ 第二百三十四条第四項後段の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によっ て定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株 主総会に係る総会議案提案取締役   ロ 第二百三十四条第四項後段の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によっ て定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取 締役会に係る取締役会議案提案取締役  六 前条第一項第八号に掲げる行為 次に掲げる者   イ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定 められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主 総会に係る総会議案提案取締役   ロ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定 められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締 役会に係る取締役会議案提案取締役 2 前項の規定にかかわらず、業務執行者及び同項各号に定める者は、その職務を行うについて注意を怠ら なかったことを証明したときは、同項の義務を負わない。 3 第一項の規定により業務執行者及び同項各号に定める者の負う義務は、免除することができない。ただ し、前条第一項各号に掲げる行為の時における分配可能額を限度として当該義務を免除することについて総 株主の同意がある場合は、この限りでない。  (株主に対する求償権の制限等) 第四百六十三条 前条第一項に規定する場合において、株式会社が第四百六十一条第一項各号に掲げる行為 により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額が当該行為がその効力を生じた日における分配可能額 を超えることにつき善意の株主は、当該株主が交付を受けた金銭等について、前条第一項の金銭を支払った 業務執行者及び同項各号に定める者からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、株式会社の債権者は、同項の規定により義務を負う株主に対し、その 交付を受けた金銭等の帳簿価額(当該額が当該債権者の株式会社に対して有する債権額を超える場合にあっ ては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。  (買取請求に応じて株式を取得した場合の責任) 第四百六十四条 株式会社が第百十六条第一項の規定による請求に応じて株式を取得する場合において、当 該請求をした株主に対して支払った金銭の額が当該支払の日における分配可能額を超えるときは、当該株式 の取得に関する職務を行った業務執行者は、株式会社に対し、連帯して、その超過額を支払う義務を負う。 ただし、その者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。  (欠損が生じた場合の責任) 第四百六十五条 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、当該行為をした日の属する事業年 度(その事業年度の直前の事業年度が最終事業年度でないときは、その事業年度の直前の事業年度)に係る 計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十 六条第三項の承認)を受けた時における第四百六十一条第二項第三号、第四号及び第六号に掲げる額の合計 額が同項第一号に掲げる額を超えるときは、当該各号に掲げる行為に関する職務を行った業務執行者は、当 該株式会社に対し、連帯して、その超過額(当該超過額が当該各号に定める額を超える場合にあっては、当 該各号に定める額)を支払う義務を負う。ただし、当該業務執行者がその職務を行うについて注意を怠らな かったことを証明した場合は、この限りでない。  一 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買 取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額  二 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する 場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。) 当該株式 の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額  三 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株 主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額  四 第百六十七条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交 付した金銭等の帳簿価額の総額  五 第百七十条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付 した金銭等の帳簿価額の総額  六 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交 付した金銭等の帳簿価額の総額  七 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りによ り株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額  八 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対し て交付した金銭等の帳簿価額の総額  九 第二百三十四条第四項の規定による当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより同条第一 項各号に定める者に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額  十 剰余金の配当(次のイからハまでに掲げるものを除く。) 当該剰余金の配当についての第四百四十 六条第六号イからハまでに掲げる額の合計額   イ 定時株主総会(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、定時株主総会又は第四百三十六条 第三項の取締役会)において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合における剰余金の配当   ロ 第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各 号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う 金銭があるときは、その額を合算した額)が第四百四十七条第一項第一号の額を超えない場合であって、同 項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る。)における剰余金の配当   ハ 第四百四十八条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各 号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う 金銭があるときは、その額を合算した額)が第四百四十八条第一項第一号の額を超えない場合であって、同 項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る。)における剰余金の配当 2 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
   第六章 定款の変更 第四百六十六条 株式会社は、その成立後、株主総会の決議によって、定款を変更することができる。
   第七章 事業の譲渡等  (事業譲渡等の承認等) 第四百六十七条 株式会社は、次に掲げる行為をする場合には、当該行為がその効力を生ずる日(以下この 章において「効力発生日」という。)の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認 を受けなければならない。  一 事業の全部の譲渡  二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として 法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、 その割合)を超えないものを除く。)  三 他の会社(外国会社その他の法人を含む。次条において同じ。)の事業の全部の譲受け  四 事業の全部の賃貸、事業の全部の経営の委任、他人と事業上の損益の全部を共通にする契約その他こ れらに準ずる契約の締結、変更又は解約  五 当該株式会社(第二十五条第一項各号に掲げる方法により設立したものに限る。以下この号において 同じ。)の成立後二年以内におけるその成立前から存在する財産であってその事業のために継続して使用す るものの取得。ただし、イに掲げる額のロに掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を当該株 式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合を除く。   イ 当該財産の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額   ロ 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項第三号に掲げる行為をする場合において、当該行為をする株式会社が譲り受ける資産に当該株式会 社の株式が含まれるときは、取締役は、同項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければ ならない。  (事業譲渡等の承認を要しない場合) 第四百六十八条 前条の規定は、同条第一項第一号から第四号までに掲げる行為(以下この章において「事 業譲渡等」という。)に係る契約の相手方が当該事業譲渡等をする株式会社の特別支配会社(ある株式会社 の総株主の議決権の十分の九(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合) 以上を他の会社及び当該他の会社が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務 省令で定める法人が有している場合における当該他の会社をいう。以下同じ。)である場合には、適用しな い。 2 前条の規定は、同条第一項第三号に掲げる行為をする場合において、第一号に掲げる額の第二号に掲げ る額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないと きは、適用しない。  一 当該他の会社の事業の全部の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額  二 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 3 前項に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行 使することができるものに限る。)を有する株主が次条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日 から二週間以内に前条第一項第三号に掲げる行為に反対する旨を当該行為をする株式会社に対し通知したと きは、当該株式会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を 受けなければならない。  (反対株主の株式買取請求) 第四百六十九条 事業譲渡等をする場合には、反対株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、自己の有す る株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。ただし、第四百六十七条第一項第一号に掲げ る行為をする場合において、同項の株主総会の決議と同時に第四百七十一条第三号の株主総会の決議がされ たときは、この限りでない。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。  一 事業譲渡等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主   イ 当該株主総会に先立って当該事業譲渡等に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株 主総会において当該事業譲渡等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるもの に限る。)   ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主  二 前号に規定する場合以外の場合 すべての株主 3 事業譲渡等をしようとする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主に対し、事業譲渡等を する旨(第四百六十七条第二項に規定する場合にあっては、同条第一項第三号に掲げる行為をする旨及び同 条第二項の株式に関する事項)を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。  一 事業譲渡等をする株式会社が公開会社である場合  二 事業譲渡等をする株式会社が第四百六十七条第一項の株主総会の決議によって事業譲渡等に係る契約 の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この章において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前 の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、 株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株式買取請求をした株主は、事業譲渡等をする株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を 撤回することができる。 7 事業譲渡等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。  (株式の価格の決定等) 第四百七十条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と事業譲渡等をする 株式会社との間に協議が調ったときは、当該株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなけれ ばならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は前項の株式 会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第六項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申 立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 第一項の株式会社は、裁判所の決定した価格に対する同項の期間の満了の日後の年六分の利率により算 定した利息をも支払わなければならない。 5 株式買取請求に係る株式の買取りは、当該株式の代金の支払の時に、その効力を生ずる。 6 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、 その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。
   第八章 解散  (解散の事由) 第四百七十一条 株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 株主総会の決議 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第一項の規定による解散を命ずる裁判  (休眠会社のみなし解散) 第四百七十二条 休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を 経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で 定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報 に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみな す。ただし、当該期間内に当該休眠会社に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠会社に対し、その旨の通知を発しなければなら ない。  (株式会社の継続) 第四百七十三条 株式会社は、第四百七十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前 条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、次章の規定による清算が結了するま で(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に 限る。)、株主総会の決議によって、株式会社を継続することができる。  (解散した株式会社の合併等の制限) 第四百七十四条 株式会社が解散した場合には、当該株式会社は、次に掲げる行為をすることができない。 一 合併(合併により当該株式会社が存続する場合に限る。) 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継
   第九章 清算
    第一節 総則      第一款 清算の開始  (清算の開始原因) 第四百七十五条 株式会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければなら ない。 一 解散した場合(第四百七十一条第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定に より解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合  (清算株式会社の能力) 第四百七十六条 前条の規定により清算をする株式会社(以下「清算株式会社」という。)は、清算の目的 の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。      第二款 清算株式会社の機関       第一目 株主総会以外の機関の設置 第四百七十七条 清算株式会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 2 清算株式会社は、定款の定めによって、清算人会、監査役又は監査役会を置くことができる。 3 監査役会を置く旨の定款の定めがある清算株式会社は、清算人会を置かなければならない。 4 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において公開会社又は大会社であった清算 株式会社は、監査役を置かなければならない。 5 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において委員会設置会社であった清算株式 会社であって、前項の規定の適用があるものにおいては、監査委員が監査役となる。 6 第四章第二節の規定は、清算株式会社については、適用しない。       第二目 清算人の就任及び解任並びに監査役の退任  (清算人の就任) 第四百七十八条 次に掲げる者は、清算株式会社の清算人となる。 一 取締役(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 株主総会の決議によって選任された者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任 する。 3 前二項の規定にかかわらず、第四百七十一条第六号に掲げる事由によって解散した清算株式会社につい ては、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第四百七十五条第二号又は第三号に掲げる場合に該当すること となった清算株式会社については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 5 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において委員会設置会社であった清算株式 会社における第一項第一号及び第三百三十五条第三項の規定の適用については、第一項第一号中「取締役」 とあるのは「監査委員以外の取締役」と、第三百三十五条第三項中「社外監査役」とあるのは「過去に当該 監査役会設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与(会計参与が法人であるとき は、その職務を行うべき社員)若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったことがないもの」とする。 6 第三百三十条及び第三百三十一条第一項の規定は清算人について、同条第四項の規定は清算人会設置会 社(清算人会を置く清算株式会社又はこの法律の規定により清算人会を置かなければならない清算株式会社 をいう。以下同じ。)について、それぞれ準用する。この場合において、同項中「取締役は」とあるのは、 「清算人は」と読み替えるものとする。 (清算人の解任) 第四百七十九条 清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、い つでも、株主総会の決議によって解任することができる。 2 重要な事由があるときは、裁判所は、次に掲げる株主の申立てにより、清算人を解任することができる。  一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあ っては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間) 前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 清算人を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主 ロ 当該申立てに係る清算人である株主  二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた 場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、 その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。)   イ 当該清算株式会社である株主   ロ 当該申立てに係る清算人である株主 3 公開会社でない清算株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(こ れを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」 とする。 4 第三百四十六条第一項から第三項までの規定は、清算人について準用する。  (監査役の退任) 第四百八十条 清算株式会社の監査役は、当該清算株式会社が次に掲げる定款の変更をした場合には、当該 定款の変更の効力が生じた時に退任する。 一 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 二 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 2 第三百三十六条の規定は、清算株式会社の監査役については、適用しない。       第三目 清算人の職務等  (清算人の職務) 第四百八十一条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の分配  (業務の執行) 第四百八十二条 清算人は、清算株式会社(清算人会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務 を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人 の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、清算人は、次に掲げる事項についての決定を各清算人に委任することができない。  一 支配人の選任及び解任  二 支店の設置、移転及び廃止  三 第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)に掲げる事項  四 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算株式会社の業務 の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 4 第三百五十三条から第三百五十七条まで、第三百六十条及び第三百六十一条の規定は、清算人(同条の 規定については、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)につ いて準用する。この場合において、第三百五十三条中「第三百四十九条第四項」とあるのは「第四百八十三 条第六項において準用する第三百四十九条第四項」と、第三百五十四条中「代表取締役」とあるのは「代表 清算人(第四百八十三条第一項に規定する代表清算人をいう。)」と、第三百六十条第三項中「監査役設置 会社又は委員会設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と読み替えるものとする。  (清算株式会社の代表) 第四百八十三条 清算人は、清算株式会社を代表する。ただし、他に代表清算人(清算株式会社を代表する 清算人をいう。以下同じ。)その他清算株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算株式会社を代表する。 3 清算株式会社(清算人会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく清算人(第四百七十八条第 二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選又は株 主総会の決議によって、清算人の中から代表清算人を定めることができる。 4 第四百七十八条第一項第一号の規定により取締役が清算人となる場合において、代表取締役を定めてい たときは、当該代表取締役が代表清算人となる。 5 裁判所は、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人 の中から代表清算人を定めることができる。 6 第三百四十九条第四項及び第五項並びに第三百五十一条の規定は代表清算人について、第三百五十二条 の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は代表清算人の職務を代行 する者について、それぞれ準用する。  (清算株式会社についての破産手続の開始) 第四百八十四条 清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清 算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算株式会社が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継 いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算株式会社が既に債権者に支払い、又は株主に分配したものがあると きは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。  (裁判所の選任する清算人の報酬) 第四百八十五条 裁判所は、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、 清算株式会社が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。  (清算人の清算株式会社に対する損害賠償責任) 第四百八十六条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算株式会社に対し、これによって生じた損害を賠 償する責任を負う。 2 清算人が第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の規定に違反して同項第一号の 取引をしたときは、当該取引により清算人又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号又は第三号の取引によって清算株 式会社に損害が生じたときは、次に掲げる清算人は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の清算人 二 清算株式会社が当該取引をすることを決定した清算人 三 当該取引に関する清算人会の承認の決議に賛成した清算人 4 第四百二十四条及び第四百二十八条第一項の規定は、清算人の第一項の責任について準用する。この場 合において、同条第一項中「第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含 む。)」とあるのは、「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号」と読み替え るものとする。  (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第四百八十七条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、こ れによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。ただし、当該清算人が当該行為をするこ とについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければ ならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該清算株式会社の事業その他の事項 に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 二 第四百九十二条第一項に規定する財産目録等並びに第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告 並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 虚偽の登記 四 虚偽の公告  (清算人及び監査役の連帯責任) 第四百八十八条 清算人又は監査役が清算株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合にお いて、他の清算人又は監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 2 前項の場合には、第四百三十条の規定は、適用しない。       第四目 清算人会  (清算人会の権限等) 第四百八十九条 清算人会は、すべての清算人で組織する。 2 清算人会は、次に掲げる職務を行う。  一 清算人会設置会社の業務執行の決定  二 清算人の職務の執行の監督  三 代表清算人の選定及び解職 3 清算人会は、清算人の中から代表清算人を選定しなければならない。ただし、他に代表清算人があると きは、この限りでない。 4 清算人会は、その選定した代表清算人及び第四百八十三条第四項の規定により代表清算人となった者を 解職することができる。 5 第四百八十三条第五項の規定により裁判所が代表清算人を定めたときは、清算人会は、代表清算人を選 定し、又は解職することができない。 6 清算人会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を清算人に委任することができない。  一 重要な財産の処分及び譲受け  二 多額の借財  三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任  四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止  五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法 務省令で定める事項  六 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算株式会社の業務 の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 7 次に掲げる清算人は、清算人会設置会社の業務を執行する。  一 代表清算人  二 代表清算人以外の清算人であって、清算人会の決議によって清算人会設置会社の業務を執行する清算 人として選定されたもの 8 第三百六十三条第二項、第三百六十四条及び第三百六十五条の規定は、清算人会設置会社について準用 する。この場合において、第三百六十三条第二項中「前項各号」とあるのは「第四百八十九条第七項各号」 と、「取締役は」とあるのは「清算人は」と、「取締役会」とあるのは「清算人会」と、第三百六十四条中 「第三百五十三条」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十三条」と、「取締役会 は」とあるのは「清算人会は」と、第三百六十五条第一項中「第三百五十六条」とあるのは「第四百八十二 条第四項において準用する第三百五十六条」と、「「取締役会」とあるのは「「清算人会」と、同条第二項 中「第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一 項各号」と、「取締役は」とあるのは「清算人は」と、「取締役会に」とあるのは「清算人会に」と読み替 えるものとする。  (清算人会の運営) 第四百九十条 清算人会は、各清算人が招集する。ただし、清算人会を招集する清算人を定款又は清算人会 で定めたときは、その清算人が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた清算人(以下この項において 「招集権者」という。)以外の清算人は、招集権者に対し、清算人会の目的である事項を示して、清算人会 の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を清算人会 の日とする清算人会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした清算人は、清算人会を招集する ことができる。 4 第三百六十七条及び第三百六十八条の規定は、清算人会設置会社における清算人会の招集について準用 する。この場合において、第三百六十七条第一項中「監査役設置会社及び委員会設置会社」とあるのは「監 査役設置会社」と、「取締役が」とあるのは「清算人が」と、同条第二項中「取締役(前条第一項ただし書 に規定する場合にあっては、招集権者)」とあるのは「清算人(第四百九十条第一項ただし書に規定する場 合にあっては、同条第二項に規定する招集権者)」と、同条第三項及び第四項中「前条第三項」とあるのは 「第四百九十条第三項」と、第三百六十八条第一項中「各取締役」とあるのは「各清算人」と、同条第二項 中「取締役(」とあるのは「清算人(」と、「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と読み替えるものと する。 5 第三百六十九条から第三百七十一条までの規定は、清算人会設置会社における清算人会の決議について 準用する。この場合において、第三百六十九条第一項中「取締役の」とあるのは「清算人の」と、同条第二 項中「取締役」とあるのは「清算人」と、同条第三項中「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と、同条 第五項中「取締役であって」とあるのは「清算人であって」と、第三百七十条中「取締役が」とあるのは「清 算人が」と、「取締役(」とあるのは「清算人(」と、第三百七十一条第三項中「監査役設置会社又は委員 会設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と、同条第四項中「役員又は執行役」とあるのは「清算人又は 監査役」と読み替えるものとする。 6 第三百七十二条第一項及び第二項の規定は、清算人会設置会社における清算人会への報告について準用 する。この場合において、同条第一項中「取締役、会計参与、監査役又は会計監査人」とあるのは「清算人 又は監査役」と、「取締役(」とあるのは「清算人(」と、「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と、 同条第二項中「第三百六十三条第二項」とあるのは「第四百八十九条第八項において準用する第三百六十三 条第二項」と読み替えるものとする。       第五目 取締役等に関する規定の適用 第四百九十一条 清算株式会社については、第二章(第百五十五条を除く。)、第三章、第四章第一節、第 三百三十五条第二項、第三百四十三条第一項及び第二項、第三百四十五条第四項において準用する同条第三 項、第三百五十九条、同章第七節及び第八節並びに第七章の規定中取締役、代表取締役、取締役会又は取締 役会設置会社に関する規定は、それぞれ清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置会社に関する規定 として清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置会社に適用があるものとする。      第三款 財産目録等  (財産目録等の作成等) 第四百九十二条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、 その就任後遅滞なく、清算株式会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第四百七十五 条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この条及び次条にお いて「財産目録等」という。)を作成しなければならない。 2 清算人会設置会社においては、財産目録等は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、財産目録等(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総 会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 清算株式会社は、財産目録等を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、 当該財産目録等を保存しなければならない。  (財産目録等の提出命令) 第四百九十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の 提出を命ずることができる。  (貸借対照表等の作成及び保存) 第四百九十四条 清算株式会社は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(第四百七十五条各号 に掲げる場合に該当することとなった日の翌日又はその後毎年その日に応当する日(応当する日がない場合 にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの 附属明細書を作成しなければならない。 2 前項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができ る。 3 清算株式会社は、第一項の貸借対照表を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時 までの間、当該貸借対照表及びその附属明細書を保存しなければならない。  (貸借対照表等の監査等) 第四百九十五条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあ る株式会社を含む。)においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、法 務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。 2 清算人会設置会社においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前項 の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、清算人会の承認を受けなければならな い。  (貸借対照表等の備置き及び閲覧等) 第四百九十六条 清算株式会社は、第四百九十四条第一項に規定する各清算事務年度に係る貸借対照表及び 事務報告並びにこれらの附属明細書(前条第一項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告を含む。以 下この条において「貸借対照表等」という。)を、定時株主総会の日の一週間前の日(第三百十九条第一項 の場合にあっては、同項の提案があった日)からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、 その本店に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、清算株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。た だし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならな い。  一 貸借対照表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求  二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求  三 貸借対照表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務 省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求  四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって清算株式会社の定めたものにより提供する ことの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 清算株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該 清算株式会社の貸借対照表等について前項各号に掲げる請求をすることができる。ただし、同項第二号又は 第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならない。  (貸借対照表等の定時株主総会への提出等) 第四百九十七条 次の各号に掲げる清算株式会社においては、清算人は、当該各号に定める貸借対照表及び 事務報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 第四百九十五条第一項に規定する監査役設置会社(清算人会設置会社を除く。) 同項の監査を受け た貸借対照表及び事務報告 二 清算人会設置会社 第四百九十五条第二項の承認を受けた貸借対照表及び事務報告 三 前二号に掲げるもの以外の清算株式会社 第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された貸借対照表は、定時株主総会の承認を受けなければならな い。 3 清算人は、第一項の規定により提出され、又は提供された事務報告の内容を定時株主総会に報告しなけ ればならない。  (貸借対照表等の提出命令) 第四百九十八条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、第四百九十四条第一項の貸借 対照表及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。      第四款 債務の弁済等  (債権者に対する公告等) 第四百九十九条 清算株式会社は、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、 当該清算株式会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れ ている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、当該期間は、二箇月を下ることができ ない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付 記しなければならない。  (債務の弁済の制限) 第五百条 清算株式会社は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。この場合において、 清算株式会社は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少 額の債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債 権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。この場合において、当 該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。  (条件付債権等に係る債務の弁済) 第五百一条 清算株式会社は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債 務を弁済することができる。この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人 の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算株式会社は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければ ならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。当該鑑定人による鑑定のた めの呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。  (債務の弁済前における残余財産の分配の制限) 第五百二条 清算株式会社は、当該清算株式会社の債務を弁済した後でなければ、その財産を株主に分配す ることができない。ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするた めに必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。  (清算からの除斥) 第五百三条 清算株式会社の債権者(知れている債権者を除く。)であって第四百九十九条第一項の期間内 にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、分配がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請 求することができる。 3 清算株式会社の残余財産を株主の一部に分配した場合には、当該株主の受けた分配と同一の割合の分配 を当該株主以外の株主に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。      第五款 残余財産の分配  (残余財産の分配に関する事項の決定) 第五百四条 清算株式会社は、残余財産の分配をしようとするときは、清算人の決定(清算人会設置会社に あっては、清算人会の決議)によって、次に掲げる事項を定めなければならない。  一 残余財産の種類  二 株主に対する残余財産の割当てに関する事項 2 前項に規定する場合において、残余財産の分配について内容の異なる二以上の種類の株式を発行してい るときは、清算株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事 項を定めることができる。  一 ある種類の株式の株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の 種類  二 前号に掲げる事項のほか、残余財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととす るときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該清算株式会社及び前項第一号の種類の株式の 株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類 の株式の数)に応じて残余財産を割り当てることを内容とするものでなければならない。  (残余財産が金銭以外の財産である場合) 第五百五条 株主は、残余財産が金銭以外の財産であるときは、金銭分配請求権(当該残余財産に代えて金 銭を交付することを清算株式会社に対して請求する権利をいう。以下この条において同じ。)を有する。こ の場合において、清算株式会社は、清算人の決定(清算人会設置会社にあっては、清算人会の決議)によっ て、次に掲げる事項を定めなければならない。  一 金銭分配請求権を行使することができる期間  二 一定の数未満の数の株式を有する株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨 及びその数 2 前項に規定する場合には、清算株式会社は、同項第一号の期間の末日の二十日前までに、株主に対し、 同号に掲げる事項を通知しなければならない。 3 清算株式会社は、金銭分配請求権を行使した株主に対し、当該株主が割当てを受けた残余財産に代えて、 当該残余財産の価額に相当する金銭を支払わなければならない。この場合においては、次の各号に掲げる場 合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該残余財産の価額とする。  一 当該残余財産が市場価格のある財産である場合 当該残余財産の市場価格として法務省令で定める方 法により算定される額  二 前号に掲げる場合以外の場合 清算株式会社の申立てにより裁判所が定める額  (基準株式数を定めた場合の処理) 第五百六条 前条第一項第二号の数(以下この条において「基準株式数」という。)を定めた場合には、清 算株式会社は、基準株式数に満たない数の株式(以下この条において「基準未満株式」という。)を有する 株主に対し、前条第三項後段の規定の例により基準株式数の株式を有する株主が割当てを受けた残余財産の 価額として定めた額に当該基準未満株式の数の基準株式数に対する割合を乗じて得た額に相当する金銭を支 払わなければならない。      第六款 清算事務の終了等 第五百七条 清算株式会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、決 算報告を作成しなければならない。 2 清算人会設置会社においては、決算報告は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、決算報告(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総会 に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 前項の承認があったときは、任務を怠ったことによる清算人の損害賠償の責任は、免除されたものとみ なす。ただし、清算人の職務の執行に関し不正の行為があったときは、この限りでない。      第七款 帳簿資料の保存 第五百八条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、清算 株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算株式会社の帳簿並びにその事業及び 清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより、前項の清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任すること ができる。この場合においては、同項の規定は、適用しない。 3 前項の規定により選任された者は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年 間、帳簿資料を保存しなければならない。 4 第二項の規定による選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。      第八款 適用除外等 第五百九条 次に掲げる規定は、清算株式会社については、適用しない。  一 第百五十五条  二 第五章第二節第二款(第四百三十五条第四項、第四百四十条第三項、第四百四十二条及び第四百四十 三条を除く。)及び第三款並びに第三節から第五節まで  三 第五編第四章並びに第五章中株式交換及び株式移転の手続に係る部分 2 清算株式会社は、無償で取得する場合その他法務省令で定める場合に限り、当該清算株式会社の株式を 取得することができる。
    第二節 特別清算      第一款 特別清算の開始  (特別清算開始の原因) 第五百十条 裁判所は、清算株式会社に次に掲げる事由があると認めるときは、第五百十四条の規定に基づ き、申立てにより、当該清算株式会社に対し特別清算の開始を命ずる。  一 清算の遂行に著しい支障を来すべき事情があること。  二 債務超過(清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りない状態をいう。次条第二項において 同じ。)の疑いがあること。  (特別清算開始の申立て) 第五百十一条 債権者、清算人、監査役又は株主は、特別清算開始の申立てをすることができる。 2 清算株式会社に債務超過の疑いがあるときは、清算人は、特別清算開始の申立てをしなければならない。  (他の手続の中止命令) 第五百十二条 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、債権 者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、特別清算開始の申立てにつき決定があるまで の間、次に掲げる手続の中止を命ずることができる。ただし、第一号に掲げる破産手続については破産手続 開始の決定がされていない場合に限り、第二号に掲げる手続についてはその手続の申立人である債権者に不 当な損害を及ぼすおそれがない場合に限る。  一 清算株式会社についての破産手続  二 清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え又は仮処分の手続(一般の先取特権 その他一般の優先権がある債権に基づくものを除く。) 2 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、前項と 同様とする。  (特別清算開始の申立ての取下げの制限) 第五百十三条 特別清算開始の申立てをした者は、特別清算開始の命令前に限り、当該申立てを取り下げる ことができる。この場合において、前条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処 分又は第五百四十一条第二項の規定による処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。  (特別清算開始の命令) 第五百十四条 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、特別清算開始の原因となる事由が あると認めるときは、次のいずれかに該当する場合を除き、特別清算開始の命令をする。  一 特別清算の手続の費用の予納がないとき。  二 特別清算によっても清算を結了する見込みがないことが明らかであるとき。  三 特別清算によることが債権者の一般の利益に反することが明らかであるとき。  四 不当な目的で特別清算開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。  (他の手続の中止等) 第五百十五条 特別清算開始の命令があったときは、破産手続開始の申立て、清算株式会社の財産に対する 強制執行、仮差押え若しくは仮処分又は財産開示手続(民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十七 条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)の申立てはすることができず、破産手続 (破産手続開始の決定がされていないものに限る。)、清算株式会社の財産に対して既にされている強制執 行、仮差押え及び仮処分の手続並びに財産開示手続は中止する。ただし、一般の先取特権その他一般の優先 権がある債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分又は財産開示手続については、この限りでない。 2 特別清算開始の命令が確定したときは、前項の規定により中止した手続は、特別清算の手続の関係にお いては、その効力を失う。 3 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の債権者の債権(一般の先取特権その他一般の優先 権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権及び特別清算の手続に関する清算 株式会社に対する費用請求権を除く。以下この節において「協定債権」という。)については、第九百三十 八条第一項第二号又は第三号に規定する特別清算開始の取消しの登記又は特別清算終結の登記の日から二箇 月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。  (担保権の実行の手続等の中止命令) 第五百十六条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、債権者の一般の利益に適合し、かつ、 担保権の実行の手続等(清算株式会社の財産につき存する担保権の実行の手続、企業担保権の実行の手続又 は清算株式会社の財産に対して既にされている一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制 執行の手続をいう。以下この条において同じ。)の申立人に不当な損害を及ぼすおそれがないものと認める ときは、清算人、監査役、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、相当の期間を定めて、担保権の 実行の手続等の中止を命ずることができる。  (相殺の禁止) 第五百十七条 協定債権を有する債権者(以下この節において「協定債権者」という。)は、次に掲げる場 合には、相殺をすることができない。  一 特別清算開始後に清算株式会社に対して債務を負担したとき。  二 支払不能(清算株式会社が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般 的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。以下この款において同じ。)になった後に契約によっ て負担する債務を専ら協定債権をもってする相殺に供する目的で清算株式会社の財産の処分を内容とする契 約を清算株式会社との間で締結し、又は清算株式会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを 内容とする契約を締結することにより清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結 の当時、支払不能であったことを知っていたとき。  三 支払の停止があった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払 の停止があったことを知っていたとき。ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったと きは、この限りでない。  四 特別清算開始の申立てがあった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の 当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次に掲げる原因のいずれか に基づく場合には、適用しない。  一 法定の原因  二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを協定債権者が知 った時より前に生じた原因  三 特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 第五百十八条 清算株式会社に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができな い。  一 特別清算開始後に他人の協定債権を取得したとき。  二 支払不能になった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを 知っていたとき。  三 支払の停止があった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったこ とを知っていたとき。ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りで ない。  四 特別清算開始の申立てがあった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、特別清算開 始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する協定債権の取得が次に掲げる原因のいず れかに基づく場合には、適用しない。  一 法定の原因  二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを清算株式会社に 対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因  三 特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因  四 清算株式会社に対して債務を負担する者と清算株式会社との間の契約      第二款 裁判所による監督及び調査  (裁判所による監督) 第五百十九条 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の清算は、裁判所の監督に属する。 2 裁判所は、必要があると認めるときは、清算株式会社の業務を監督する官庁に対し、当該清算株式会社 の特別清算の手続について意見の陳述を求め、又は調査を嘱託することができる。 3 前項の官庁は、裁判所に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見を述べることができる。  (裁判所による調査) 第五百二十条 裁判所は、いつでも、清算株式会社に対し、清算事務及び財産の状況の報告を命じ、その他 清算の監督上必要な調査をすることができる。  (裁判所への財産目録等の提出) 第五百二十一条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、第四百九十二条第三項の承認が あった後遅滞なく、財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を裁判所 に提出しなければならない。ただし、財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的 記録に記録された事項を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。  (調査命令) 第五百二十二条 裁判所は、特別清算開始後において、清算株式会社の財産の状況を考慮して必要があると 認めるときは、清算人、監査役、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者の債権の 総額の十分の一以上に当たる債権を有する債権者若しくは総株主(株主総会において決議をすることができ る事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割 合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場 合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主若しくは発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三 (これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期 間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主の申立てにより又は職権で、次に 掲げる事項について、調査委員による調査を命ずる処分(第五百三十三条において「調査命令」という。) をすることができる。  一 特別清算開始に至った事情  二 清算株式会社の業務及び財産の状況  三 第五百四十条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。  四 第五百四十二条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。  五 第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をする必要があるかどうか。  六 その他特別清算に必要な事項で裁判所の指定するもの 2 清算株式会社の財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又はこの法律若しくは商法の規定に よる留置権に限る。)を有する債権者がその担保権の行使によって弁済を受けることができる債権の額は、 前項の債権の額に算入しない。 3 公開会社でない清算株式会社における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る 期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。      第三款 清算人  (清算人の公平誠実義務) 第五百二十三条 特別清算が開始された場合には、清算人は、債権者、清算株式会社及び株主に対し、公平 かつ誠実に清算事務を行う義務を負う。  (清算人の解任等) 第五百二十四条 裁判所は、清算人が清算事務を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、 債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算人を解任することができる。 2 清算人が欠けたときは、裁判所は、清算人を選任する。 3 清算人がある場合においても、裁判所は、必要があると認めるときは、更に清算人を選任することがで きる。  (清算人代理) 第五百二十五条 清算人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は二人以上 の清算人代理を選任することができる。 2 前項の清算人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。  (清算人の報酬等) 第五百二十六条 清算人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 前項の規定は、清算人代理について準用する。      第四款 監督委員  (監督委員の選任等) 第五百二十七条 裁判所は、一人又は二人以上の監督委員を選任し、当該監督委員に対し、第五百三十五条 第一項の許可に代わる同意をする権限を付与することができる。 2 法人は、監督委員となることができる。  (監督委員に対する監督等) 第五百二十八条 監督委員は、裁判所が監督する。 2 裁判所は、監督委員が清算株式会社の業務及び財産の管理の監督を適切に行っていないとき、その他重 要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員を解任することができる。  (二人以上の監督委員の職務執行) 第五百二十九条 監督委員が二人以上あるときは、共同してその職務を行う。ただし、裁判所の許可を得て、 それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。  (監督委員による調査等) 第五百三十条 監督委員は、いつでも、清算株式会社の清算人及び監査役並びに支配人その他の使用人に対 し、事業の報告を求め、又は清算株式会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 2 監督委員は、その職務を行うため必要があるときは、清算株式会社の子会社に対し、事業の報告を求め、 又はその子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。  (監督委員の注意義務) 第五百三十一条 監督委員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 監督委員が前項の注意を怠ったときは、その監督委員は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する 責任を負う。  (監督委員の報酬等) 第五百三十二条 監督委員は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 監督委員は、その選任後、清算株式会社に対する債権又は清算株式会社の株式を譲り受け、又は譲り渡 すには、裁判所の許可を得なければならない。 3 監督委員は、前項の許可を得ないで同項に規定する行為をしたときは、費用及び報酬の支払を受けるこ とができない。      第五款 調査委員  (調査委員の選任等) 第五百三十三条 裁判所は、調査命令をする場合には、当該調査命令において、一人又は二人以上の調査委 員を選任し、調査委員が調査すべき事項及び裁判所に対して調査の結果の報告をすべき期間を定めなければ ならない。  (監督委員に関する規定の準用) 第五百三十四条 前款(第五百二十七条第一項及び第五百二十九条ただし書を除く。)の規定は、調査委員 について準用する。 第六款 清算株式会社の行為の制限等  (清算株式会社の行為の制限) 第五百三十五条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判 所の許可を得なければならない。ただし、第五百二十七条第一項の規定により監督委員が選任されていると きは、これに代わる監督委員の同意を得なければならない。  一 財産の処分(次条第一項各号に掲げる行為を除く。)  二 借財  三 訴えの提起  四 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)  五 権利の放棄  六 その他裁判所の指定する行為 2 前項の規定にかかわらず、同項第一号から第五号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、 同項の許可を要しない。  一 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。  二 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。 3 第一項の許可又はこれに代わる監督委員の同意を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをも って善意の第三者に対抗することができない。  (事業の譲渡の制限等) 第五百三十六条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判 所の許可を得なければならない。  一 事業の全部の譲渡  二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額と して法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあって は、その割合)を超えないものを除く。) 2 前条第三項の規定は、前項の許可を得ないでした行為について準用する。 3 第七章(第四百六十七条第一項第五号を除く。)の規定は、特別清算の場合には、適用しない。  (債務の弁済の制限) 第五百三十七条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、協定債権者に対して、その債権 額の割合に応じて弁済をしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、裁判所の許可を得て、少額の協定債権、清算株式会社の財 産につき存する担保権によって担保される協定債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがな い協定債権に係る債務について、債権額の割合を超えて弁済をすることができる。  (換価の方法) 第五百三十八条 清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、その財産 の換価をすることができる。この場合においては、第五百三十五条第一項第一号の規定は、適用しない。 2 清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、第五百二十二条第二項 に規定する担保権(以下この条及び次条において単に「担保権」という。)の目的である財産の換価をする ことができる。この場合においては、当該担保権を有する者(以下この条及び次条において「担保権者」と いう。)は、その換価を拒むことができない。 3 前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手 続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項の場合において、担保権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、清算株式会社は、代 金を別に寄託しなければならない。この場合においては、担保権は、寄託された代金につき存する。  (担保権者が処分をすべき期間の指定) 第五百三十九条 担保権者が法律に定められた方法によらないで担保権の目的である財産の処分をする権利 を有するときは、裁判所は、清算株式会社の申立てにより、担保権者がその処分をすべき期間を定めること ができる。 2 担保権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。      第七款 清算の監督上必要な処分等  (清算株式会社の財産に関する保全処分) 第五百四十条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めると きは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社の財産に関し、その 財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、 必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定 による保全処分をすることができる。特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の 即時抗告がされたときも、同様とする。 3 裁判所が前二項の規定により清算株式会社が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をする ことを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、特別清算の関係においては、当該保全処分に反 してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。ただし、債権者が、その 行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。  (株主名簿の記載等の禁止) 第五百四十一条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認める ときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社が株主名簿記載事 項を株主名簿に記載し、又は記録することを禁止することができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、 必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定 による処分をすることができる。特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時 抗告がされたときも、同様とする。  (役員等の財産に対する保全処分) 第五百四十二条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認める ときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、発起人、設立時取締役、設立時監査役、第四百二十三条 第一項に規定する役員等又は清算人(以下この款において「対象役員等」という。)の責任に基づく損害賠 償請求権につき、当該対象役員等の財産に対する保全処分をすることができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、 緊急の必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分を することができる。特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされた ときも、同様とする。  (役員等の責任の免除の禁止) 第五百四十三条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認める ときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任の免除の禁止 の処分をすることができる。  (役員等の責任の免除の取消し) 第五百四十四条 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社は、特別清算開始の申立てがあった後 又はその前一年以内にした対象役員等の責任の免除を取り消すことができる。不正の目的によってした対象 役員等の責任の免除についても、同様とする。 2 前項の規定による取消権は、訴え又は抗弁によって、行使する。 3 第一項の規定による取消権は、特別清算開始の命令があった日から二年を経過したときは、行使するこ とができない。当該対象役員等の責任の免除の日から二十年を経過したときも、同様とする。  (役員等責任査定決定) 第五百四十五条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、必要があると認めるときは、清算 株式会社の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この条 において「役員等責任査定決定」という。)をすることができる。 2 裁判所は、職権で役員等責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。 3 第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の中断に関しては、裁判上の請求があったものと みなす。 4 役員等責任査定決定の手続(役員等責任査定決定があった後のものを除く。)は、特別清算が終了した ときは、終了する。
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