第一法規株式会社 新会社法WEB
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  第一編 総則
   第一章 通則  (趣旨) 第一条 会社の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この 法律の定めるところによる。  (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。  一 会社 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。  二 外国会社 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又 は会社に類似するものをいう。  三 子会社 会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配し ている法人として法務省令で定めるものをいう。  四 親会社 株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省 令で定めるものをいう。  五 公開会社 その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会 社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいう。  六 大会社 次に掲げる要件のいずれかに該当する株式会社をいう。   イ 最終事業年度に係る貸借対照表(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、同条の規定によ り定時株主総会に報告された貸借対照表をいい、株式会社の成立後最初の定時株主総会までの間においては、 第四百三十五条第一項の貸借対照表をいう。ロにおいて同じ。)に資本金として計上した額が五億円以上で あること。   ロ 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であること。  七 取締役会設置会社 取締役会を置く株式会社又はこの法律の規定により取締役会を置かなければなら ない株式会社をいう。  八 会計参与設置会社 会計参与を置く株式会社をいう。  九 監査役設置会社 監査役を置く株式会社(その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨 の定款の定めがあるものを除く。)又はこの法律の規定により監査役を置かなければならない株式会社をい う。  十 監査役会設置会社 監査役会を置く株式会社又はこの法律の規定により監査役会を置かなければなら ない株式会社をいう。  十一 会計監査人設置会社 会計監査人を置く株式会社又はこの法律の規定により会計監査人を置かなけ ればならない株式会社をいう。  十二 委員会設置会社 指名委員会、監査委員会及び報酬委員会(以下「委員会」という。)を置く株式 会社をいう。  十三 種類株式発行会社 剰余金の配当その他の第百八条第一項各号に掲げる事項について内容の異なる 二以上の種類の株式を発行する株式会社をいう。  十四 種類株主総会 種類株主(種類株式発行会社におけるある種類の株式の株主をいう。以下同じ。) の総会をいう。  十五 社外取締役 株式会社の取締役であって、当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会 社の第三百六十三条第一項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。 以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人でなく、かつ、過去に当該株式会社又はその子会社 の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったことがないものをいう。  十六 社外監査役 株式会社の監査役であって、過去に当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与 (会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役又は支配人その他の使用人とな ったことがないものをいう。  十七 譲渡制限株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取 得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。  十八 取得請求権付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として株主が当該株式会社 に対して当該株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。  十九 取得条項付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として当該株式会社が一定の 事由が生じたことを条件として当該株式を取得することができる旨の定めを設けている場合における当該株 式をいう。  二十 単元株式数 株式会社がその発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は 種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨の定款の定めを設けてい る場合における当該一定の数をいう。  二十一 新株予約権 株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることがで きる権利をいう。  二十二 新株予約権付社債 新株予約権を付した社債をいう。  二十三 社債 この法律の規定により会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債権 であって、第六百七十六条各号に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいう。  二十四 最終事業年度 各事業年度に係る第四百三十五条第二項に規定する計算書類につき第四百三十八 条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた 場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。  二十五 配当財産 株式会社が剰余金の配当をする場合における配当する財産をいう。  二十六 組織変更 次のイ又はロに掲げる会社がその組織を変更することにより当該イ又はロに定める会 社となることをいう。   イ 株式会社 合名会社、合資会社又は合同会社   ロ 合名会社、合資会社又は合同会社 株式会社  二十七 吸収合併 会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合 併後存続する会社に承継させるものをいう。  二十八 新設合併 二以上の会社がする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併 により設立する会社に承継させるものをいう。  二十九 吸収分割 株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後他 の会社に承継させることをいう。  三十 新設分割 一又は二以上の株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一 部を分割により設立する会社に承継させることをいう。  三十一 株式交換 株式会社がその発行済株式(株式会社が発行している株式をいう。以下同じ。)の全 部を他の株式会社又は合同会社に取得させることをいう。  三十二 株式移転 一又は二以上の株式会社がその発行済株式の全部を新たに設立する株式会社に取得さ せることをいう。  三十三 公告方法 会社(外国会社を含む。)が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載す る方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。  三十四 電子公告 公告方法のうち、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の 技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により不特定多数の者が公告すべ き内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法を いう。  (法人格) 第三条 会社は、法人とする。  (住所) 第四条 会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする。  (商行為) 第五条 会社(外国会社を含む。次条第一項、第八条及び第九条において同じ。)がその事業としてする行 為及びその事業のためにする行為は、商行為とする。
   第二章 会社の商号  (商号) 第六条 会社は、その名称を商号とする。 2 会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、 合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。 3 会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。  (会社と誤認させる名称等の使用の禁止) 第七条 会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはな らない。 第八条 何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用して はならない。 2 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれが ある会社は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防 を請求することができる。  (自己の商号の使用を他人に許諾した会社の責任) 第九条 自己の商号を使用して事業又は営業を行うことを他人に許諾した会社は、当該会社が当該事業を行 うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁 済する責任を負う。
   第三章 会社の使用人等
    第一節 会社の使用人  (支配人) 第十条 会社(外国会社を含む。以下この編において同じ。)は、支配人を選任し、その本店又は支店にお いて、その事業を行わせることができる。  (支配人の代理権) 第十一条 支配人は、会社に代わってその事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 支配人は、他の使用人を選任し、又は解任することができる。 3 支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。  (支配人の競業の禁止) 第十二条 支配人は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。  一 自ら営業を行うこと。  二 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。  三 他の会社又は商人(会社を除く。第二十四条において同じ。)の使用人となること。  四 他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 支配人が前項の規定に違反して同項第二号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって支配人又は第 三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。  (表見支配人) 第十三条 会社の本店又は支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該本店又は支店 の事業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。ただし、相手方が悪意であったとき は、この限りでない。  (ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人) 第十四条 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外 の行為をする権限を有する。 2 前項に規定する使用人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。  (物品の販売等を目的とする店舗の使用人) 第十五条 物品の販売等(販売、賃貸その他これらに類する行為をいう。以下この条において同じ。)を目 的とする店舗の使用人は、その店舗に在る物品の販売等をする権限を有するものとみなす。ただし、相手方 が悪意であったときは、この限りでない。
    第二節 会社の代理商  (通知義務) 第十六条 代理商(会社のためにその平常の事業の部類に属する取引の代理又は媒介をする者で、その会社 の使用人でないものをいう。以下この節において同じ。)は、取引の代理又は媒介をしたときは、遅滞なく、 会社に対して、その旨の通知を発しなければならない。  (代理商の競業の禁止) 第十七条 代理商は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。  一 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。  二 会社の事業と同種の事業を行う他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 代理商が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって代理商又は第 三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。  (通知を受ける権限) 第十八条 物品の販売又はその媒介の委託を受けた代理商は、商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百 二十六条第二項の通知その他の売買に関する通知を受ける権限を有する。  (契約の解除) 第十九条 会社及び代理商は、契約の期間を定めなかったときは、二箇月前までに予告し、その契約を解除 することができる。 2 前項の規定にかかわらず、やむを得ない事由があるときは、会社及び代理商は、いつでもその契約を解 除することができる。  (代理商の留置権) 第二十条 代理商は、取引の代理又は媒介をしたことによって生じた債権の弁済期が到来しているときは、 その弁済を受けるまでは、会社のために当該代理商が占有する物又は有価証券を留置することができる。た だし、当事者が別段の意思表示をしたときは、この限りでない。
   第四章 事業の譲渡をした場合の競業の禁止等  (譲渡会社の競業の禁止) 第二十一条 事業を譲渡した会社(以下この章において「譲渡会社」という。)は、当事者の別段の意思表 示がない限り、同一の市町村(東京都の特別区の存する区域及び地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号) 第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区。以下この項において同じ。)の区域内及びこれに 隣接する市町村の区域内においては、その事業を譲渡した日から二十年間は、同一の事業を行ってはならな い。 2 譲渡会社が同一の事業を行わない旨の特約をした場合には、その特約は、その事業を譲渡した日から三 十年の期間内に限り、その効力を有する。 3 前二項の規定にかかわらず、譲渡会社は、不正の競争の目的をもって同一の事業を行ってはならない。  (譲渡会社の商号を使用した譲受会社の責任等) 第二十二条 事業を譲り受けた会社(以下この章において「譲受会社」という。)が譲渡会社の商号を引き 続き使用する場合には、その譲受会社も、譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負う。 2 前項の規定は、事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社がその本店の所在地において譲渡会社の債務 を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、適用しない。事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社 及び譲渡会社から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者についても、同 様とする。 3 譲受会社が第一項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、事 業を譲渡した日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅 する。 4 第一項に規定する場合において、譲渡会社の事業によって生じた債権について、譲受会社にした弁済は、 弁済者が善意でかつ重大な過失がないときは、その効力を有する。  (譲受会社による債務の引受け) 第二十三条 譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用しない場合においても、譲渡会社の事業によって生 じた債務を引き受ける旨の広告をしたときは、譲渡会社の債権者は、その譲受会社に対して弁済の請求をす ることができる。 2 譲受会社が前項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、同項 の広告があった日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消 滅する。  (商人との間での事業の譲渡又は譲受け) 第二十四条 会社が商人に対してその事業を譲渡した場合には、当該会社を商法第十六条第一項に規定する 譲渡人とみなして、同法第十七条及び第十八条の規定を適用する。 2 会社が商人の営業を譲り受けた場合には、当該商人を譲渡会社とみなして、前二条の規定を適用する。
  第二編 株式会社
   第一章 設立
    第一節 総則 第二十五条 株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。  一 次節から第八節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発 行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法  二 次節、第三節、第三十九条及び第六節から第九節までに規定するところにより、発起人が設立時発行 株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法 2 各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。
    第二節 定款の作成  (定款の作成) 第二十六条 株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印し なければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができな い方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるも のをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。この場合において、当該電磁的記録に記録された 情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。  (定款の記載又は記録事項) 第二十七条 株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。  一 目的  二 商号  三 本店の所在地  四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額  五 発起人の氏名又は名称及び住所 第二十八条 株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第二十六条第一項の定款に記載し、又は記 録しなければ、その効力を生じない。  一 金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当て る設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行 株式の種類及び種類ごとの数。第三十二条第一項第一号において同じ。)  二 株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称  三 株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称  四 株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれが ないものとして法務省令で定めるものを除く。) 第二十九条 第二十七条各号及び前条各号に掲げる事項のほか、株式会社の定款には、この法律の規定によ り定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記 載し、又は記録することができる。  (定款の認証) 第三十条 第二十六条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第三十三条第七項若しくは第九項又は第三 十七条第一項若しくは第二項の規定による場合を除き、これを変更することができない。  (定款の備置き及び閲覧等) 第三十一条 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)は、定款を発起人が定めた場所(株式 会社の成立後にあっては、その本店及び支店)に備え置かなければならない。 2 発起人(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者)は、発起人が定めた時間(株式会社の成 立後にあっては、その営業時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又 は第四号に掲げる請求をするには、発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めた費用を 支払わなければならない。  一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求  二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求  三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定 める方法により表示したものの閲覧の請求  四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって発起人(株式会社の成立後にあっては、当 該株式会社)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員(親会社の株主その他の社員をいう。以下同じ。) がその権利を行使するため必要があるときは、当該親会社社員は、裁判所の許可を得て、当該株式会社の定 款について前項各号に掲げる請求をすることができる。ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をする には、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 4 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における第二項第三号及び第四号に掲げ る請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている株式会社についての 第一項の規定の適用については、同項中「本店及び支店」とあるのは、「本店」とする。
    第三節 出資  (設立時発行株式に関する事項の決定) 第三十二条 発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定め ようとするときは、その全員の同意を得なければならない。  一 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数  二 前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額  三 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項 2 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、前項第一号の設立時発行株式が第 百八条第三項前段の規定による定款の定めがあるものであるときは、発起人は、その全員の同意を得て、当 該設立時発行株式の内容を定めなければならない。  (定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任) 第三十三条 発起人は、定款に第二十八条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第三十 条第一項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立て をしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任し なければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、成立後の株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額 を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法 務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認め るときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、発起人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項 の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、第二十八条各号に掲げる事項(第二項の検査役の調査 を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 発起人は、前項の決定により第二十八条各号に掲げる事項の全部又は一部が変更された場合には、当該 決定の確定後一週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 9 前項に規定する場合には、発起人は、その全員の同意によって、第七項の決定の確定後一週間以内に限 り、当該決定により変更された事項についての定めを廃止する定款の変更をすることができる。 10 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。  一 第二十八条第一号及び第二号の財産(以下この章において「現物出資財産等」という。)について定 款に記載され、又は記録された価額の総額が五百万円を超えない場合 同条第一号及び第二号に掲げる事項  二 現物出資財産等のうち、市場価格のある有価証券(証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二 条第一項に規定する有価証券をいい、同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。) について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法によ り算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項  三 現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁 護士法人、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項 に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現 物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において 同じ。)を受けた場合 第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項(当該証明を受けた現物出資財産等に係 るものに限る。) 11 次に掲げる者は、前項第三号に規定する証明をすることができない。  一 発起人  二 第二十八条第二号の財産の譲渡人  三 設立時取締役(第三十八条第一項に規定する設立時取締役をいう。)又は設立時監査役(同条第二項 第二号に規定する設立時監査役をいう。)  四 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者  五 弁護士法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号から第三号までに掲げ る者のいずれかに該当するもの  (出資の履行) 第三十四条 発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その 出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために 必要な行為は、株式会社の成立後にすることを妨げない。 2 前項の規定による払込みは、発起人が定めた銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第 二条第一項に規定する銀行をいう。第七百三条第一号において同じ。)、信託会社(信託業法(平成十六年 法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。以下同じ。)その他これに準ずるものとして 法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。  (設立時発行株式の株主となる権利の譲渡) 第三十五条 前条第一項の規定による払込み又は給付(以下この章において「出資の履行」という。)をす ることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。  (設立時発行株式の株主となる権利の喪失) 第三十六条 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、当該出資の履行をして いない発起人に対して、期日を定め、その期日までに当該出資の履行をしなければならない旨を通知しなけ ればならない。 2 前項の規定による通知は、同項に規定する期日の二週間前までにしなければならない。 3 第一項の規定による通知を受けた発起人は、同項に規定する期日までに出資の履行をしないときは、当 該出資の履行をすることにより設立時発行株式の株主となる権利を失う。  (発行可能株式総数の定め等) 第三十七条 発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。) を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発 行可能株式総数の定めを設けなければならない。 2 発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同 意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。 3 設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の四分の一を下ることができない。ただし、設立しようと する株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。
    第四節 設立時役員等の選任及び解任  (設立時役員等の選任) 第三十八条 発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して取締 役となる者をいう。以下同じ。)を選任しなければならない。 2 次の各号に掲げる場合には、発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、当該各号に定める者を選 任しなければならない。  一 設立しようとする株式会社が会計参与設置会社である場合 設立時会計参与(株式会社の設立に際し て会計参与となる者をいう。以下同じ。)  二 設立しようとする株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨 の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 設立時監査役(株式会社の設立に際して監査役となる 者をいう。以下同じ。)  三 設立しようとする株式会社が会計監査人設置会社である場合 設立時会計監査人(株式会社の設立に 際して会計監査人となる者をいう。以下同じ。) 3 定款で設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人として定められた者は、出 資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人に 選任されたものとみなす。 第三十九条 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合には、設立時取締役は、三人以上で なければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査役会設置会社である場合には、設立時監査役は、三人以上でなければ ならない。 3 第三百三十一条第一項(第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十三条第一 項若しくは第三項又は第三百三十七条第一項若しくは第三項の規定により成立後の株式会社の取締役、会計 参与、監査役又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時取締役、設立時会計参与、設立時 監査役又は設立時会計監査人(以下この節において「設立時役員等」という。)となることができない。  (設立時役員等の選任の方法) 第四十条 設立時役員等の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。ただ し、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役 の全部又は一部の選任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を 発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の選任 についての議決権を行使することができない。 4 前項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の選任について準用する。  (設立時役員等の選任の方法の特則) 第四十一条 前条第一項の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項 (取締役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役の選 任は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式を引き 受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有 する。 3 前二項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに 限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。  (設立時役員等の解任) 第四十二条 発起人は、株式会社の成立の時までの間、その選任した設立時役員等(第三十八条第三項の規 定により設立時役員等に選任されたものとみなされたものを含む。)を解任することができる。  (設立時役員等の解任の方法) 第四十三条 設立時役員等の解任は、発起人の議決権の過半数(設立時監査役を解任する場合にあっては、 三分の二以上に当たる多数)をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。ただ し、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役 の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を 発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任 についての議決権を行使することができない。 4 前項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の解任について準用する。  (設立時取締役等の解任の方法の特則) 第四十四条 前条第一項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役の解 任は、その選任に係る発起人の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会(第八十四条に規定する種 類創立総会をいう。)若しくは種類株主総会において選任された取締役を株主総会の決議によって解任する ことができる旨の定款の定めがある場合には、同項の規定により選任された設立時取締役の解任は、発起人 の議決権の過半数をもって決定する。 3 前二項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有す る。ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権 を有する。 4 前項の規定にかかわらず、第二項の規定により設立時取締役を解任する場合において、取締役の全部又 は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行する ときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任について の議決権を行使することができない。 5 前各項の規定は、第四十一条第三項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役 の解任について準用する。この場合において、第一項及び第二項中「過半数」とあるのは、「三分の二以上 に当たる多数」と読み替えるものとする。  (設立時役員等の選任又は解任の効力についての特則) 第四十五条 株式会社の設立に際して第百八条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある種類の株式 を発行する場合において、当該種類の株式の内容として次の各号に掲げる事項について種類株主総会の決議 があることを必要とする旨の定款の定めがあるときは、当該各号に定める事項は、定款の定めに従い、第四 十条第一項又は第四十三条第一項の規定による決定のほか、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人 の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもってする決定がなければ、 その効力を生じない。  一 取締役の全部又は一部の選任又は解任 当該取締役となる設立時取締役の選任又は解任  二 会計参与の全部又は一部の選任又は解任 当該会計参与となる設立時会計参与の選任又は解任  三 監査役の全部又は一部の選任又は解任 当該監査役となる設立時監査役の選任又は解任  四 会計監査人の全部又は一部の選任又は解任 当該会計監査人となる設立時会計監査人の選任又は解任 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有 する。
    第五節 設立時取締役等による調査 第四十六条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取 締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しな ければならない。  一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっ ては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。  二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。  三 出資の履行が完了していること。  四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違 反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。 3 設立しようとする株式会社が委員会設置会社である場合には、設立時取締役は、第一項の規定による調 査を終了したときはその旨を、前項の規定による通知をしたときはその旨及びその内容を、設立時代表執行 役(第四十八条第一項第三号に規定する設立時代表執行役をいう。)に通知しなければならない。
    第六節 設立時代表取締役等の選定等  (設立時代表取締役の選定等) 第四十七条 設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社(委員会設置会社を除く。) である場合には、設立時取締役の中から株式会社の設立に際して代表取締役(株式会社を代表する取締役を いう。以下同じ。)となる者(以下「設立時代表取締役」という。)を選定しなければならない。 2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時代表取締役を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表取締役の選定及び解職は、設立時取締役の過半数をもって決定する。  (設立時委員の選定等) 第四十八条 設立しようとする株式会社が委員会設置会社である場合には、設立時取締役は、次に掲げる措 置をとらなければならない。  一 設立時取締役の中から次に掲げる者(次項において「設立時委員」という。)を選定すること。   イ 株式会社の設立に際して指名委員会の委員となる者   ロ 株式会社の設立に際して監査委員会の委員となる者   ハ 株式会社の設立に際して報酬委員会の委員となる者  二 株式会社の設立に際して執行役となる者(以下「設立時執行役」という。)を選任すること。  三 設立時執行役の中から株式会社の設立に際して代表執行役となる者(以下「設立時代表執行役」とい う。)を選定すること。ただし、設立時執行役が一人であるときは、その者が設立時代表執行役に選定され たものとする。 2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時委員若しくは設立時代表執行役を解職し、又は 設立時執行役を解任することができる。 3 前二項の規定による措置は、設立時取締役の過半数をもって決定する。
    第七節 株式会社の成立  (株式会社の成立) 第四十九条 株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。  (株式の引受人の権利) 第五十条 発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。 2 前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。  (引受けの無効又は取消しの制限) 第五十一条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十三条ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設 立時発行株式の引受けに係る意思表示については、適用しない。 2 発起人は、株式会社の成立後は、錯誤を理由として設立時発行株式の引受けの無効を主張し、又は詐欺 若しくは強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。
    第八節 発起人等の責任  (出資された財産等の価額が不足する場合の責任) 第五十二条 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載 され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、 発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、発起人(第二十八条第一号の財産を給付した者又は同 条第二号の財産の譲渡人を除く。第二号において同じ。)及び設立時取締役は、現物出資財産等について同 項の義務を負わない。  一 第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項について第三十三条第二項の検査役の調査を経た場合  二 当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第三十三条第十項第三号に規定する証明をした者(以下この項において「証 明者」という。)は、第一項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。ただし、当該 証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。  (発起人等の損害賠償責任) 第五十三条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、 当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、 当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。  (発起人等の連帯責任) 第五十四条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を 負う場合において、他の発起人、設立時取締役又は設立時監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、 これらの者は、連帯債務者とする。  (責任の免除) 第五十五条 第五十二条第一項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務及び第五十三条第一項の規 定により発起人、設立時取締役又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することが できない。  (株式会社不成立の場合の責任) 第五十六条 株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為に ついてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。
    第九節 募集による設立      第一款 設立時発行株式を引き受ける者の募集  (設立時発行株式を引き受ける者の募集) 第五十七条 発起人は、この款の定めるところにより、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定 めることができる。 2 発起人は、前項の募集をする旨を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。  (設立時募集株式に関する事項の決定) 第五十八条 発起人は、前条第一項の募集をしようとするときは、その都度、設立時募集株式(同項の募集 に応じて設立時発行株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる設立時発行株式をいう。以下この節 において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。  一 設立時募集株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、その種 類及び種類ごとの数。以下この款において同じ。)  二 設立時募集株式の払込金額(設立時募集株式一株と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この款に おいて同じ。)  三 設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日又はその期間  四 一定の日までに設立の登記がされない場合において、設立時募集株式の引受けの取消しをすることが できることとするときは、その旨及びその一定の日 2 発起人は、前項各号に掲げる事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 3 設立時募集株式の払込金額その他の前条第一項の募集の条件は、当該募集(設立しようとする株式会社 が種類株式発行会社である場合にあっては、種類及び当該募集)ごとに、均等に定めなければならない。  (設立時募集株式の申込み) 第五十九条 発起人は、第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする 者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。  一 定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名  二 第二十七条各号、第二十八条各号、第三十二条第一項各号及び前条第一項各号に掲げる事項  三 発起人が出資した財産の価額  四 第六十三条第一項の規定による払込みの取扱いの場所  五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、第三十六条第一項に規定する期 日後でなければ、前項の規定による通知をすることができない。 3 第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載 した書面を発起人に交付しなければならない。  一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所  二 引き受けようとする設立時募集株式の数 4 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得 て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該申込 みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 5 発起人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があっ た事項を第三項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 発起人が申込者に対してする通知又は催告は、第三項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を 受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。  (設立時募集株式の割当て) 第六十条 発起人は、申込者の中から設立時募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当て る設立時募集株式の数を定めなければならない。この場合において、発起人は、当該申込者に割り当てる設 立時募集株式の数を、前条第三項第二号の数よりも減少することができる。 2 発起人は、第五十八条第一項第三号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の 前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を通知しなければならない。  (設立時募集株式の申込み及び割当てに関する特則) 第六十一条 前二条の規定は、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締 結する場合には、適用しない。  (設立時募集株式の引受け) 第六十二条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める設立時募集株式の数について設立時募集株式の引受 人となる。  一 申込者 発起人の割り当てた設立時募集株式の数  二 前条の契約により設立時募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた設立時募集株式の数  (設立時募集株式の払込金額の払込み) 第六十三条 設立時募集株式の引受人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、発起人が定 めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わ なければならない。 2 前項の規定による払込みをすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会 社に対抗することができない。 3 設立時募集株式の引受人は、第一項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより 設立時募集株式の株主となる権利を失う。  (払込金の保管証明) 第六十四条 第五十七条第一項の募集をした場合には、発起人は、第三十四条第一項及び前条第一項の規定 による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に 関する証明書の交付を請求することができる。 2 前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は第三十四条第一項若しく は前条第一項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の株式会社に対 抗することができない。      第二款 創立総会等  (創立総会の招集) 第六十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号 の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第五十条第一項又は第百二条第二項の規定に より株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければ ならない。 2 発起人は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集する ことができる。  (創立総会の権限) 第六十六条 創立総会は、この節に規定する事項及び株式会社の設立の廃止、創立総会の終結その他株式会 社の設立に関する事項に限り、決議をすることができる。  (創立総会の招集の決定) 第六十七条 発起人は、創立総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。  一 創立総会の日時及び場所  二 創立総会の目的である事項  三 創立総会に出席しない設立時株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、 その旨  四 創立総会に出席しない設立時株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとすると きは、その旨  五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 発起人は、設立時株主(創立総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使する ことができない設立時株主を除く。次条から第七十一条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合に は、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。  (創立総会の招集の通知) 第六十八条 創立総会を招集するには、発起人は、創立総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に 掲げる事項を定めたときを除き、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合にあっては、一週間(当 該設立しようとする株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を 定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、設立時株主に対してその通知を発しなければならな い。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。  一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合  二 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合 3 発起人は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、設立時株主の承諾を得 て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該発起人は、同項の書面による通 知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 5 発起人が設立時株主に対してする通知又は催告は、第二十七条第五号又は第五十九条第三項第一号の住 所(当該設立時株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その 場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 6 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 7 前二項の規定は、第一項の通知に際して設立時株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を 電磁的方法により提供する場合について準用する。この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは、 「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。  (招集手続の省略) 第六十九条 前条の規定にかかわらず、創立総会は、設立時株主の全員の同意があるときは、招集の手続を 経ることなく開催することができる。ただし、第六十七条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場 合は、この限りでない。  (創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第七十条 発起人は、第六十七条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に 際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を 記載した書類(以下この款において「創立総会参考書類」という。)及び設立時株主が議決権を行使するた めの書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するとき は、前項の規定による創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事 項を電磁的方法により提供することができる。ただし、設立時株主の請求があったときは、これらの書類を 当該設立時株主に交付しなければならない。 第七十一条 発起人は、第六十七条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知 に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、創立総会参考書類を交付しなければならな い。 2 発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するとき は、前項の規定による創立総会参考書類の交付に代えて、当該創立総会参考書類に記載すべき事項を電磁的 方法により提供することができる。ただし、設立時株主の請求があったときは、創立総会参考書類を当該設 立時株主に交付しなければならない。 3 発起人は、第一項に規定する場合には、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対する同項の電磁 的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権行使書面に記載す べき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 発起人は、第一項に規定する場合において、第六十八条第三項の承諾をしていない設立時株主から創立 総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、 法務省令で定めるところにより、直ちに、当該設立時株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなけ ればならない。  (議決権の数) 第七十二条 設立時株主(成立後の株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事 由を通じて成立後の株式会社がその経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして法務省 令で定める設立時株主を除く。)は、創立総会において、その引き受けた設立時発行株式一株につき一個の 議決権を有する。ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の 議決権を有する。 2 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、株主総会において議決権を行使す ることができる事項について制限がある種類の設立時発行株式を発行するときは、創立総会において、設立 時株主は、株主総会において議決権を行使することができる事項に相当する事項に限り、当該設立時発行株 式について議決権を行使することができる。 3 前項の規定にかかわらず、株式会社の設立の廃止については、設立時株主は、その引き受けた設立時発 行株式について議決権を行使することができる。  (創立総会の決議) 第七十三条 創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権 の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当 該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う場合(設立しようとする株式会社が種 類株式発行会社である場合を除く。)には、当該定款の変更についての創立総会の決議は、当該創立総会に おいて議決権を行使することができる設立時株主の半数以上であって、当該設立時株主の議決権の三分の二 以上に当たる多数をもって行わなければならない。 3 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定 款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除 く。)をしようとする場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、設 立時株主全員の同意を得なければならない。 4 創立総会は、第六十七条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、定款の変更又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。  (議決権の代理行使) 第七十四条 設立時株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。この場合においては、当 該設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面を発起人に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、創立総会ごとにしなければならない。 3 第一項の設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、 発起人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合にお いて、当該設立時株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前 項の承諾をすることを拒んではならない。 5 発起人は、創立総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。 6 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。) は、創立総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記 録された電磁的記録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。次条第三項及び第七 十六条第四項において同じ。)に備え置かなければならない。 7 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。) は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。次条第四項及び第七十六条第五項 において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。  一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求  二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請 求  (書面による議決権の行使) 第七十五条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時まで に当該議決権行使書面を発起人に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。 3 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面を発起人が定め た場所に備え置かなければならない。 4 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の 閲覧又は謄写の請求をすることができる。  (電磁的方法による議決権の行使) 第七十六条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、法務省 令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該発起人に提供して行う。 2 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前 項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算 入する。 4 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録を発 起人が定めた場所に備え置かなければならない。 5 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で 定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。  (議決権の不統一行使) 第七十七条 設立時株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。この場合においては、 創立総会の日の三日前までに、発起人に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 発起人は、前項の設立時株主が他人のために設立時発行株式を引き受けた者でないときは、当該設立時 株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。  (発起人の説明義務) 第七十八条 発起人は、創立総会において、設立時株主から特定の事項について説明を求められた場合には、 当該事項について必要な説明をしなければならない。ただし、当該事項が創立総会の目的である事項に関し ないものである場合、その説明をすることにより設立時株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な 理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。  (議長の権限) 第七十九条 創立総会の議長は、当該創立総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 創立総会の議長は、その命令に従わない者その他当該創立総会の秩序を乱す者を退場させることができ る。  (延期又は続行の決議) 第八十条 創立総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第六十七条及び第六十八条 の規定は、適用しない。  (議事録) 第八十一条 創立総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならな い。 2 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第二項において同じ。)は、創立総会の日 から十年間、前項の議事録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。同条第二項に おいて同じ。)に備え置かなければならない。 3 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者。次条第三項において同じ。)は、発 起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。同項において同じ。)内は、いつでも、 次に掲げる請求をすることができる。  一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求  二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法 務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、 裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。  (創立総会の決議の省略) 第八十二条 発起人が創立総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき設立時 株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により 同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の創立総会の決議があったものとみなす。 2 発起人は、前項の規定により創立総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は 電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 3 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請 求 4 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、 裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。  (創立総会への報告の省略) 第八十三条 発起人が設立時株主の全員に対して創立総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該 事項を創立総会に報告することを要しないことにつき設立時株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の 意思表示をしたときは、当該事項の創立総会への報告があったものとみなす。  (種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合) 第八十四条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、その設立に際して発行す るある種類の株式の内容として、株主総会において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の 株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事 項は、その定款の定めの例に従い、創立総会の決議のほか、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主(あ る種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。以下この節において同じ。)を構成員とする種類創立総会(あ る種類の設立時発行株式の設立時種類株主の総会をいう。以下同じ。)の決議がなければ、その効力を生じ ない。ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、 この限りでない。  (種類創立総会の招集及び決議) 第八十五条 前条、第九十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第九十二条第一項(同 条第三項において準用する場合を含む。)、第百条第一項又は第百一条第一項の規定により種類創立総会の 決議をする場合には、発起人は、種類創立総会を招集しなければならない。 2 種類創立総会の決議は、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の議 決権の過半数であって、出席した当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。 3 前項の規定にかかわらず、第百条第一項の決議は、同項に規定する種類創立総会において議決権を行使 することができる設立時種類株主の半数以上であって当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる 多数をもって行わなければならない。  (創立総会に関する規定の準用) 第八十六条 第六十七条から第七十一条まで、第七十二条第一項及び第七十四条から第八十二条までの規定 は、種類創立総会について準用する。この場合において、第六十七条第一項第三号及び第四号並びに第二項、 第六十八条第一項及び第三項、第六十九条から第七十一条まで、第七十二条第一項、第七十四条第一項、第 三項及び第四項、第七十五条第二項、第七十六条第二項及び第三項、第七十七条、第七十八条本文並びに第 八十二条第一項中「設立時株主」とあるのは、「設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主 をいう。)」と読み替えるものとする。      第三款 設立に関する事項の報告 第八十七条 発起人は、株式会社の設立に関する事項を創立総会に報告しなければならない。 2 発起人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的 記録を創立総会に提出し、又は提供しなければならない。  一 定款に第二十八条各号に掲げる事項(第三十三条第十項各号に掲げる場合における当該各号に定める 事項を除く。)の定めがある場合 第三十三条第二項の検査役の同条第四項の報告の内容  二 第三十三条第十項第三号に掲げる場合 同号に規定する証明の内容      第四款 設立時取締役等の選任及び解任  (設立時取締役等の選任) 第八十八条 第五十七条第一項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は 設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。  (累積投票による設立時取締役の選任) 第八十九条 創立総会の目的である事項が二人以上の設立時取締役の選任である場合には、設立時株主(設 立時取締役の選任について議決権を行使することができる設立時株主に限る。以下この条において同じ。) は、定款に別段の定めがあるときを除き、発起人に対し、第三項から第五項までに規定するところにより設 立時取締役を選任すべきことを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、同項の創立総会の日の五日前までにしなければならない。 3 第七十二条第一項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求があった場合には、設立時取締役の選 任の決議については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式一株(単元株式数を定款で定めている 場合にあっては、一単元の設立時発行株式)につき、当該創立総会において選任する設立時取締役の数と同 数の議決権を有する。この場合においては、設立時株主は、一人のみに投票し、又は二人以上に投票して、 その議決権を行使することができる。 4 前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次設立時取締役に選任されたものとする。 5 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による請求があった場合における設立時取締役の選任に関し 必要な事項は、法務省令で定める。  (種類創立総会の決議による設立時取締役等の選任) 第九十条 第八十八条の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取 締役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役は、同条 第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主 を構成員とする種類創立総会の決議によって選任しなければならない。 2 前項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限 る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。  (設立時取締役等の解任) 第九十一条 第八十八条の規定により選任された設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時 会計監査人は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。 第九十二条 第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、その 選任に係る種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって解任するこ とができる。 2 前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会若しくは種類株主総会にお いて選任された取締役を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第 九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によ って解任することができる。 3 前二項の規定は、第九十条第二項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役に ついて準用する。      第五款 設立時取締役等による調査  (設立時取締役等による調査) 第九十三条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取 締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しな ければならない。  一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっ ては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。  二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。  三 発起人による出資の履行及び第六十三条第一項の規定による払込みが完了していること。  四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時取締役は、前項の規定による調査の結果を創立総会に報告しなければならない。 3 設立時取締役は、創立総会において、設立時株主から第一項の規定による調査に関する事項について説 明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。  (設立時取締役等が発起人である場合の特則) 第九十四条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取 締役及び設立時監査役)の全部又は一部が発起人である場合には、創立総会においては、その決議によって、 前条第一項各号に掲げる事項を調査する者を選任することができる。 2 前項の規定により選任された者は、必要な調査を行い、当該調査の結果を創立総会に報告しなければな らない。      第六款 定款の変更  (発起人による定款の変更の禁止) 第九十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号 の期間の初日のうち最も早い日以後は、第三十三条第九項並びに第三十七条第一項及び第二項の規定にかか わらず、定款の変更をすることができない。  (創立総会における定款の変更) 第九十六条 第三十条第二項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更を することができる。  (設立時発行株式の引受けの取消し) 第九十七条 創立総会において、第二十八条各号に掲げる事項を変更する定款の変更の決議をした場合には、 当該創立総会においてその変更に反対した設立時株主は、当該決議後二週間以内に限り、その設立時発行株 式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。  (創立総会の決議による発行可能株式総数の定め) 第九十八条 第五十七条第一項の募集をする場合において、発行可能株式総数を定款で定めていないときは、 株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなけ ればならない。  (定款の変更の手続の特則) 第九十九条 設立しようとする会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、当 該各号の種類の設立時発行株式の設立時種類株主全員の同意を得なければならない。  一 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は 当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする とき。  二 ある種類の株式について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めを設けようとするとき。 第百条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、定款を変更してある種類の株 式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設けるときは、当該 定款の変更は、次に掲げる設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時 発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種 類株主を構成員とする各種類創立総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じな い。ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、 この限りでない。  一 当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主  二 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の設立時種 類株主  三 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の設立時種類 株主 2 前項に規定する種類創立総会において当該定款の変更に反対した設立時種類株主は、当該種類創立総会 の決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 第百一条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、次に掲げる事項についての 定款の変更をすることにより、ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主に損害を及ぼすおそれがあると きは、当該定款の変更は、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該 設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の 種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会)の決議がなければ、その効力を生じな い。ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、 この限りでない。  一 株式の種類の追加  二 株式の内容の変更  三 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数(株式会社が発行することができる一の種類の株式の総 数をいう。以下同じ。)の増加 2 前項の規定は、単元株式数についての定款の変更であって、当該定款の変更について第三百二十二条第 二項の規定による定款の定めがある場合における当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とす る種類創立総会については、適用しない。      第七款 設立手続等の特則等  (設立手続等の特則) 第百二条 設立時募集株式の引受人は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第三十一条第二項各号に掲げ る請求をすることができる。ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人の定めた費用 を支払わなければならない。 2 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、第六十三条第一項の規定による払込みを行った設 立時発行株式の株主となる。 3 民法第九十三条ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時募集株式の引受けの申込み及び割当て 並びに第六十一条の契約に係る意思表示については、適用しない。 4 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権 を行使した後は、錯誤を理由として設立時発行株式の引受けの無効を主張し、又は詐欺若しくは強迫を理由 として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。  (発起人の責任等) 第百三条 第五十七条第一項の募集をした場合における第五十二条第二項の規定の適用については、同項中 「次に」とあるのは、「第一号に」とする。 2 第五十七条第一項の募集をした場合において、当該募集の広告その他当該募集に関する書面又は電磁的 記録に自己の氏名又は名称及び株式会社の設立を賛助する旨を記載し、又は記録することを承諾した者(発 起人を除く。)は、発起人とみなして、前節及び前項の規定を適用する。
   第二章 株式
    第一節 総則  (株主の責任) 第百四条 株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする。  (株主の権利) 第百五条 株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有 する。  一 剰余金の配当を受ける権利  二 残余財産の分配を受ける権利  三 株主総会における議決権 2 株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。  (共有者による権利の行使) 第百六条 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人 を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使するこ とができない。ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。  (株式の内容についての特別の定め) 第百七条 株式会社は、その発行する全部の株式の内容として次に掲げる事項を定めることができる。  一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。  二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。  三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができ ること。 2 株式会社は、全部の株式の内容として次の各号に掲げる事項を定めるときは、当該各号に定める事項を 定款で定めなければならない。  一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 次に掲げる事項   イ 当該株式を譲渡により取得することについて当該株式会社の承認を要する旨   ロ 一定の場合においては株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす ときは、その旨及び当該一定の場合  二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる 事項   イ 株主が当該株式会社に対して当該株主の有する株式を取得することを請求することができる旨   ロ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債に ついてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類(第六百八十一条第一号に規定する種類をいう。 以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法   ハ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付 社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法   ニ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付す るときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予 約権についてのハに規定する事項   ホ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等(株式、社債及び新 株予約権をいう。以下同じ。)以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれら の算定方法   ヘ 株主が当該株式会社に対して当該株式を取得することを請求することができる期間  三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができ ること 次に掲げる事項   イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその株式を取得する旨及びその事由   ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨   ハ イの事由が生じた日にイの株式の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する株式の一 部の決定の方法   ニ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債に ついてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその 算定方法   ホ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付 社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法   ヘ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付す るときは、当該新株予約権付社債についてのニに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予 約権についてのホに規定する事項   ト イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付す るときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法  (異なる種類の株式) 第百八条 株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行 することができる。ただし、委員会設置会社及び公開会社は、第九号に掲げる事項についての定めがある種 類の株式を発行することができない。  一 剰余金の配当  二 残余財産の分配  三 株主総会において議決権を行使することができる事項  四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。  五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。  六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得すること ができること。  七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること。  八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社(第四百七十八条 第六項に規定する清算人会設置会社をいう。以下この条において同じ。)にあっては株主総会又は清算人会) において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会 の決議があることを必要とするもの  九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること。 2 株式会社は、次の各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する場合には、当 該各号に定める事項及び発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない。  一 剰余金の配当 当該種類の株主に交付する配当財産の価額の決定の方法、剰余金の配当をする条件そ の他剰余金の配当に関する取扱いの内容  二 残余財産の分配 当該種類の株主に交付する残余財産の価額の決定の方法、当該残余財産の種類その 他残余財産の分配に関する取扱いの内容  三 株主総会において議決権を行使することができる事項 次に掲げる事項   イ 株主総会において議決権を行使することができる事項   ロ 当該種類の株式につき議決権の行使の条件を定めるときは、その条件  四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 当該種類の株式につい ての前条第二項第一号に定める事項  五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に 掲げる事項   イ 当該種類の株式についての前条第二項第二号に定める事項   ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付する ときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法  六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得すること ができること 次に掲げる事項   イ 当該種類の株式についての前条第二項第三号に定める事項   ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付する ときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法  七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること 次に掲 げる事項   イ 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の価額の決定の方法   ロ 当該株主総会の決議をすることができるか否かについての条件を定めるときは、その条件  八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総 会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員と する種類株主総会の決議があることを必要とするもの 次に掲げる事項   イ 当該種類株主総会の決議があることを必要とする事項   ロ 当該種類株主総会の決議を必要とする条件を定めるときは、その条件  九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること  次に掲げる事項   イ 当該種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること及び選任する 取締役又は監査役の数   ロ イの定めにより選任することができる取締役又は監査役の全部又は一部を他の種類株主と共同して 選任することとするときは、当該他の種類株主の有する株式の種類及び共同して選任する取締役又は監査役 の数   ハ イ又はロに掲げる事項を変更する条件があるときは、その条件及びその条件が成就した場合におけ る変更後のイ又はロに掲げる事項   ニ イからハまでに掲げるもののほか、法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、同項各号に定める事項(剰余金の配当について内容の異なる種類の種類株主 が配当を受けることができる額その他法務省令で定める事項に限る。)の全部又は一部については、当該種 類の株式を初めて発行する時までに、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算 人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)の決議によって定める旨を定款で定めることができる。こ の場合においては、その内容の要綱を定款で定めなければならない。  (株主の平等) 第百九条 株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第百五条第一項各号に掲げる権利に関する事項 について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる。 3 前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の株主が有する株式を同項の権利に関する事項につ いて内容の異なる種類の株式とみなして、この編及び第五編の規定を適用する。  (定款の変更の手続の特則) 第百十条 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項につい ての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するも のを除く。)をしようとする場合(株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、株主全員の同 意を得なければならない。 第百十一条 種類株式発行会社がある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式の内容として第 百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該 事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該種類の株式を有する株主 全員の同意を得なければならない。 2 種類株式発行会社がある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項につい ての定款の定めを設ける場合には、当該定款の変更は、次に掲げる種類株主を構成員とする種類株主総会(当 該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株 主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りで ない。  一 当該種類の株式の種類株主  二 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の種類株主  三 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の種類株主  (取締役の選任等に関する種類株式の定款の定めの廃止の特則) 第百十二条 第百八条第二項第九号に掲げる事項(取締役に関するものに限る。)についての定款の定めは、 この法律又は定款で定めた取締役の員数を欠いた場合において、そのために当該員数に足りる数の取締役を 選任することができないときは、廃止されたものとみなす。 2 前項の規定は、第百八条第二項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定款の 定めについて準用する。  (発行可能株式総数) 第百十三条 株式会社は、定款を変更して発行可能株式総数についての定めを廃止することができない。 2 定款を変更して発行可能株式総数を減少するときは、変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が 効力を生じた時における発行済株式の総数を下ることができない。 3 定款を変更して発行可能株式総数を増加する場合には、変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更 が効力を生じた時における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。ただし、株式会社が公開会社 でない場合は、この限りでない。 4 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権 者が第二百八十二条の規定により取得することとなる株式の数は、発行可能株式総数から発行済株式(自己 株式(株式会社が有する自己の株式をいう。以下同じ。)を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはな らない。  (発行可能種類株式総数) 第百十四条 定款を変更してある種類の株式の発行可能種類株式総数を減少するときは、変更後の当該種類 の株式の発行可能種類株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における当該種類の発行済株式の総数 を下ることができない。 2 ある種類の株式についての次に掲げる数の合計数は、当該種類の株式の発行可能種類株式総数から当該 種類の発行済株式(自己株式を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。  一 取得請求権付株式(第百七条第二項第二号ヘの期間の初日が到来していないものを除く。)の株主(当 該株式会社を除く。)が第百六十七条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株 式の数  二 取得条項付株式の株主(当該株式会社を除く。)が第百七十条第二項の規定により取得することとな る同項第四号に規定する他の株式の数  三 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約 権者が第二百八十二条の規定により取得することとなる株式の数  (議決権制限株式の発行数) 第百十五条 種類株式発行会社が公開会社である場合において、株主総会において議決権を行使することが できる事項について制限のある種類の株式(以下この条において「議決権制限株式」という。)の数が発行 済株式の総数の二分の一を超えるに至ったときは、株式会社は、直ちに、議決権制限株式の数を発行済株式 の総数の二分の一以下にするための必要な措置をとらなければならない。  (反対株主の株式買取請求) 第百十六条 次の各号に掲げる場合には、反対株主は、株式会社に対し、自己の有する当該各号に定める株 式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。  一 その発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定 款の変更をする場合 全部の株式  二 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定めを設ける 定款の変更をする場合 第百十一条第二項各号に規定する株式  三 次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式(第三百二十二条第二項の規定による定款の定 めがあるものに限る。)を有する種類株主に損害を及ぼすおそれがあるとき 当該種類の株式   イ 株式の併合又は株式の分割   ロ 第百八十五条に規定する株式無償割当て   ハ 単元株式数についての定款の変更   ニ 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限 る。)   ホ 当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定め るものに限る。)   ヘ 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。  一 前項各号の行為をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株 主   イ 当該株主総会に先立って当該行為に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会 において当該行為に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)   ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主  二 前号に規定する場合以外の場合 すべての株主 3 第一項各号の行為をしようとする株式会社は、当該行為が効力を生ずる日(以下この条及び次条におい て「効力発生日」という。)の二十日前までに、同項各号に定める株式の株主に対し、当該行為をする旨を 通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項の規定による請求(以下この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前 の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、 株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することがで きる。 7 株式会社が第一項各号の行為を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。  (株式の価格の決定等) 第百十七条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協 議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、 その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第六項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申 立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の年六分の利率により算定した 利息をも支払わなければならない。 5 株式買取請求に係る株式の買取りは、当該株式の代金の支払の時に、その効力を生ずる。 6 株券発行会社(その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨 の定款の定めがある株式会社をいう。以下同じ。)は、株券が発行されている株式について株式買取請求が あったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。  (新株予約権買取請求) 第百十八条 次の各号に掲げる定款の変更をする場合には、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者は、 株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。  一 その発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定 款の変更 全部の新株予約権  二 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを 設ける定款の変更 当該種類の株式を目的とする新株予約権 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この節におい て「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取る ことを請求しなければならない。ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定め がある場合は、この限りでない。 3 第一項各号に掲げる定款の変更をしようとする株式会社は、当該定款の変更が効力を生ずる日(以下こ の条及び次条において「定款変更日」という。)の二十日前までに、同項各号に定める新株予約権の新株予 約権者に対し、当該定款の変更を行う旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、定款変更日の二十日前の日から定款変更日の前日までの間に、その新株予約権 買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請 求を撤回することができる。 7 株式会社が第一項各号に掲げる定款の変更を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。  (新株予約権の価格の決定等) 第百十九条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債 に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、 当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と株式会社との間に協 議が調ったときは、株式会社は、定款変更日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、定款変更日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者 又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることがで きる。 3 前条第六項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、定款変更日から六十日以内に同項の申 立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回すること ができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の年六分の利率により算定した 利息をも支払わなければならない。 5 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、当該新株予約権の代金の支払の時に、その効力を生 ずる。 6 株式会社は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、 新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 7 株式会社は、第二百四十九条第二号に規定する新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債 に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、その新株予約権付社債券と引換えに、 その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。  (株主の権利の行使に関する利益の供与) 第百二十条 株式会社は、何人に対しても、株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与(当該株式会社 又はその子会社の計算においてするものに限る。以下この条において同じ。)をしてはならない。 2 株式会社が特定の株主に対して無償で財産上の利益の供与をしたときは、当該株式会社は、株主の権利 の行使に関し、財産上の利益の供与をしたものと推定する。株式会社が特定の株主に対して有償で財産上の 利益の供与をした場合において、当該株式会社又はその子会社の受けた利益が当該財産上の利益に比して著 しく少ないときも、同様とする。 3 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与を受けた者は、 これを当該株式会社又はその子会社に返還しなければならない。この場合において、当該利益の供与を受け た者は、当該株式会社又はその子会社に対して当該利益と引換えに給付をしたものがあるときは、その返還 を受けることができる。 4 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与をすることに関 与した取締役(委員会設置会社にあっては、執行役を含む。)として法務省令で定める者は、当該株式会社 に対して、連帯して、供与した利益の価額に相当する額を支払う義務を負う。ただし、その者がその職務を 行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 5 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
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